吹田市の「ESSE(エッセ)動物病院」は、北千里駅徒歩8分、駐車場有で、箕面市・豊中 市からもアクセス良好。日本獣医がん学会腫瘍科認定医Ⅱ種の院長が、腫瘍・皮膚病・心臓病・外科の診療に注力。セカンドオピニオンも喜んで承ります。

腫瘍科

腫瘍科

腫瘍科とは、その名前の通り腫瘍全般を⾒る科⽬です。ここ数年、ヒト同様に⽝・猫の平均寿命も伸びその結果がんになる可能性も上がってきています。
そしてそれに合わせるように、獣医療でのがんの診断・治療もどんどんアップデートされていっています。

そんな中で私たちが⼼掛けていることは、
①常に⾃分の中の知識をアップデートすること
②がんは全⾝に⽣じ、様々な臓器の異常を引き起こすことから、⼀般的な内科学の知識もアップデートすることです。

そして、これらの客観的な情報と飼い主さんの考え⽅(主観的情報)、その両⽅を元にその状況における Bestを⼀緒に考えることが⼤切だと考えています。
これらは、治療を“する”か“しない”かという⼤きな選択においてだけでなく、例えば化学療法(抗がん剤)を⾏うとしてもどの程度の薬の副作⽤は許容できて、どういうことは起きてほしくないのか。その希望を叶えるためにこういう選択がある、という細かな内容(薬の種類など)もその患者、ご家族に合わせて決めていきます。
他の病気も診断と治療の選択肢があるということは同じですが、特に腫瘍科はその選択の幅の広さに悩むことが多くだからこそ私たちが⼒になりたいところでもあります。

犬の腫瘍疾患

髄膜腫

脳をおおう膜である「髄膜」から発⽣する腫瘍。

○ 症状
発⽣する場所により、てんかん発作・意識低下(ぼんやりしている)・歩⾏異常(うまく歩けない)など様々である。
○ 傾向
⽝の脳腫瘍の45〜60%を占めるという報告もある。G・レトリバー、G・シェパードなどの⼤型⽝の他、チワワ、M・ダックスフンド、W・コーギー・ペンブロークなどの⼩〜中型⽝においても多く報告されている。
○ 診断
CT・MRI検査で仮診断をし、外科摘出後に確定診断を⾏う。
○ 治療
治療の第1選択は外科摘出である。他にも、放射線治療、抗がん薬治療などが⾏われることがある。
また緩和治療としては、腫瘍の増⼤や浮腫による頭蓋内圧上昇に対してマンニトールやステロイドを使⽤することがある。

⿐腺癌

⿐の中の壁から発⽣する悪性腫瘍。

○ 症状
⿐⽔、⿐出⾎、くしゃみ、呼吸困難、顔⾯変形など腫瘍の進⾏の程度により様々である。
○ 傾向
平均発症年齢が10歳、⻑頭種(ダックス、ボルゾイなど)に多く発⽣し、特にシェルティーに多く⾒られたとする報告がある。
また⿐にできる腫瘍の7割ほどを占める。
○ 診断
CT検査と同時に⾏う組織⽣検(腫瘍の⼀部を取って調べる検査)で確定診断する。
○ 治療
放射線療法が第1選択となる。腫瘍の程度のよっては外科療法が選択肢に上がることもある。その他の治療法(分⼦標的薬や光線⼒学療法)による効果も⼀部報告されている。

⼝腔内悪性黒⾊腫(メラノーマ)

⼝の中の粘膜に発⽣する悪性腫瘍。

○ 症状
初期は何も症状を⽰さないことが多い。⼤きくなると腫瘤が破けて出⾎や痛み、唾液が多くなり、⼝臭も認められる。
○ 傾向
M・ダックス、T・プードル、ビーグル、M・シュナウザーに多いとされている。⼝の中にできるしこりのおよそ1/4がメラノーマだとする報告もある。
○ 診断
腫瘤の外⾒で疑い、組織⽣検(腫瘍の⼀部を取って調べる検査)で確定診断する。
○ 治療
外科切除が第1選択となることが多く、ステージの低いもの(⽐較的⼩さいもの)では根治治療として⾏うこともある。
⼤きく根治治療が難しいものに関して、出⾎や痛みの管理のために緩和放射線治療を⾏うこともある。

⾎管⾁腫

⾎管を由来とする悪性腫瘍で、脾臓にできることが多い。
脾臓以外には、⼼臓、肝臓、腎臓、⽪膚にできることもある。

○ 症状
腫瘍があるだけでは症状はほとんど⽰さず、腫瘍からの出⾎が起こることで貧⾎、ショックなどで緊急来院されるケースも少なくない。また脾臓の⾎管⾁腫は⾼い確率で転移が起こる。
○ 傾向
脾臓にできる腫瘍の内23%が⾎管⾁腫であるという報告がある。
○ 診断
腹部エコー検査で疑い、腫瘍の摘出後に確定診断を⾏う。
○ 治療
⼼臓以外のものは外科摘出が第1選択となる。
ただ特に脾臓の⾎管⾁腫では、外科摘出のみで⽣存期間が⻑くないため、術後の化学療法(抗がん剤治療)を⾏うことが多い。

胸腺腫

胸の中にある胸腺を由来とする腫瘍。

○ 症状
胸腺腫があることのみでは症状を⽰さないことが多い。
腫瘍随伴症候群(腫瘍が原因で起こる別の症状)で、全⾝の筋⼒が低下する「重症筋無⼒症」が発⽣することもある。
○ 診断
胸部レントゲン検査や胸部エコー検査で疑い、性格によっては無⿇酔でFNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)を実施する。FNAで判断困難な症例に関しては、外科摘出による組織診断で確定診断を⾏う。
○ 治療
外科摘出が第1選択となる。腫瘍が巨⼤で外科摘出が困難な場合、グルココルチコイド投与や放射線療法を腫瘍の縮⼩を期待して⾏うこともある。

肺腺癌

肺にできる悪性腫瘍

○ 症状
無症状な症例も多い。症状としては、咳や呼吸が早いなどがある。
○ 傾向
M・ダックス、シーズー、R・レトリバーに多いという報告がある。同じ報告で、肺にできる腫瘍の43%を占めたとされている。
○ 診断
胸部レントゲン検査にて確認されることが多い。FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で仮診断を⾏い、外科切除後に確定診断を⾏う。
○ 治療
すでに転移が認められるものや、腫瘍の部位により摘出が困難なものを除いて外科摘出が第1選択となる。また⼀部の化学療法剤(抗がん治療薬)では有効性が報告されている。

肝細胞腫瘍

肝臓にできる腫瘍で肝細胞腫と肝細胞癌に分けられる。

○ 症状
無症状な症例が多く、他の病状の検査、もしくは健康診断時に⾒つかることが多い。
○ 傾向
肝臓の組織検査では、シーズー、M・ダックスフント、柴で多かったという報告がある。
○ 診断
腹部エコー検査でその存在を確認する。FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)、造影エコー検査、CT検査で肝細胞腫瘍の疑いを強める。外科切除後に確定診断を⾏う。
○ 治療
切除可能部位であれば、外科切除にて⻑期間⽣存が可能である。
肝細胞癌は⽐較的転移が稀な腫瘍とされているため、外科切除が推奨されるケースが多い。

腸腺癌

腸にできる悪性腫瘍で、腸粘膜から発⽣する。

○ 症状
⾷欲低下、体重減少、嘔吐、下痢、⾎便などが⾒られる。
○ 傾向
⽝の⼩腸に発⽣する腫瘍で、リンパ腫の次に多い腫瘍である。G・シェパードやコリーで発⽣リスクが⾼いとする報告もある。
○ 診断
腹部エコー検査でその存在を疑う。外科切除後に確定診断を⾏う。
○ 治療
症状の改善と完治を⽬的として、外科切除が⾏われることが多い。腹腔内播種や転移が⾒られる症例においては、化学療法(抗がん剤)が⾏われることがあるが、その有効性は不明なところも多い。

消化管間質腫瘍

腸にできる悪性腫瘍で、腸のカハール介在細胞が腫瘍化したもの。

○ 症状
無症状な症例もいる。時に、⾷欲低下、体重減少、嘔吐、下痢、⾎便などが⾒られる。
○ 傾向
⽝の回盲結腸移⾏部に発⽣しやすい腫瘍で、G・レトリバー、M・ダックスに多いとする報告がある。
○ 診断
腹部エコー検査でその存在を疑う。外科切除後に確定診断を⾏う。
○ 治療
症状の改善と完治を⽬的として、外科切除が⾏われることが多い。「c-kit」という遺伝⼦の変異が認められることが多いため、チロシンキナーゼ阻害薬が有効なこともある。巨⼤なものや⿇酔リスクが⾼い症例、術後に転移・播種が⾒られたものに対して使われることがある。

腎細胞癌

腎臓にできる悪性腫瘍で、腎細胞が腫瘍化したもの。

○ 症状
⾷欲低下、体重減少などはっきりとしない症状を⽰すことが多い。稀に、エリスロポエチン産⽣による多⾎症(⾎が濃くなる)が⾒られることがある。
○ 傾向
パピヨン、M・ダックスフントに多く⾒られる。
○ 診断
腹部エコー検査でその可能性を疑い、外科切除後に確定診断を⾏う。
○ 治療
第1選択として外科摘出があげられる。外科⼿術ができない症例では、分⼦標的薬であるパラディアを投与する場合もあり、その有効性も⼀部報告されている。

移⾏上⽪癌

膀胱や尿管にできる悪性腫瘍で、膀胱粘膜などが腫瘍化したもの。

○ 症状
⾎尿や頻尿などの尿症状で気づかれることが多い。
○ 傾向
シェルティー、ビーグル、M・ダックスフント、マルチーズに多く⾒られる。
○ 診断
腹部エコー検査でその可能性を疑い、カテーテル吸引検査(⿇酔なしで膀胱カテーテルを⼊れ、細胞をとってくる検査)での組織検査や、腫瘍マーカーであるBRAF検査を⾏って仮診断を⾏う。
○ 治療
腫瘍がある位置によっては、外科切除も検討するが⽐較的再発率の多い腫瘍である。内科療法では、NSAIDsや抗がん剤、分⼦標的薬が使⽤される。

精巣腫瘍

精巣にできる腫瘍で、精上⽪腫、セルトリ細胞腫、間細胞腫がある。これらが1種類もしくは複数が腫瘍化した精巣で増殖する。

○ 症状
精巣の⼤きくなっていることで気づかれることが多い。
また稀に腫瘍が⼥性ホルモンを出し、それによる貧⾎、脱⽑などの症状が⾒られることもある。
○ 傾向
停留精巣(陰睾:精巣が本来の位置になくお腹の中などにある状況)では、精巣腫瘍が13.6倍も起きやすい。
○ 診断
エコー検査で腫瘍の存在を確認し、外科摘出後に確定診断する。
○ 治療
第1選択は外科切除である。また停留精巣の状況でも、⼿術のできるうちに去勢⼿術を検討したほうが良いと考えられる。

下垂体腺腫(腺癌)

脳の下垂体という部位にできる腫瘍。下垂体はホルモン分泌に関わる部位で、この部位の腫瘍はホルモン異常を起こすことがある。

○ 症状
多くはクッシング症候群の症状(⽔を良く飲む、尿が多い、太ってきた、⽑が薄くなってきた、など)が⾒られる。また脳の腫瘍が⼤型のものは、元気がない、発作、などの症状が⾒られることもある。
○ 傾向
副腎⽪質機能亢進症(クッシング症候群)の9割は、下垂体の腫瘍化によるものである。
○ 診断
MRI検査にて腫瘍の確認を⾏う。
○ 治療
治療の選択肢としては、放射線治療、外科切除、対症療法(症状を和らげる治療)がある。

副腎腺腫(腺癌)

副腎にできる腫瘍。副腎はホルモン分泌に関わる部位で、この部位の腫瘍はホルモン異常を起こすことがある。

○ 症状
クッシング症候群の症状(⽔を良く飲む、尿が多い、太ってきた、⽑が薄くなってきた、など)が⾒られる場合もある。
○ 傾向
副腎⽪質機能亢進症(クッシング症候群)の1割は、副腎の腫瘍化によるものである。
○ 診断
エコー検査で腫瘍を確認し、外科摘出後に確定診断する。
○ 治療
第1選択は外科摘出である。

多中⼼型リンパ腫

全⾝のリンパ節にできる腫瘍で、⽝で1番多いリンパ腫のタイプです。⾼悪性度と低悪性度のものがある。

○ 症状
元気・⾷欲の低下、嘔吐、下痢、リンパ節の腫れが⾒られることが多い。低悪性度のものは、症状を⽰さないこともある。
○ 傾向
⾼悪性度多中⼼型リンパ腫は様々な⽝種で報告されている。
低悪性度多中⼼型リンパ腫も様々だが、特にG・レトリバーに多いとされている。
○ 診断
リンパ節へのFNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で腫瘍細胞を確認すれば確定診断できる場合もある。判断が難しい、もしくは治療⽅針決定のため更なる情報がいる場合は、クローナリティー解析やリンパ節の摘出・検査を⾏うこともある。
○ 治療
第1選択は化学療法(抗がん剤治療)である。
リンパ腫の種類によって使う薬剤は変えるが、多くの場合CHOPベースプロトコル(シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ステロイドという薬剤を使う⽅法)が⾏われる。
低悪性度リンパ腫の場合、経過観察を⾏うケースもある。

胃腸管型リンパ腫

胃や腸、周りのリンパ節に限局してリンパ腫。⾼悪性度と低悪性度のものがある。

○ 症状
元気・⾷欲の低下、嘔吐、下痢など⼀般的なお腹の症状が⾒られる。
○ 傾向
⼩腸の腫瘍では1番多い腫瘍がこのリンパ腫である。
○ 診断
エコー検査で存在を疑い、FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で確定診断が出ることもある。低悪性度のものは、エコーで異常を認めない場合もある。内視鏡検査で確定診断を⾏うことが多い。
○ 治療
第1選択は化学療法(抗がん剤治療)である。
リンパ腫の種類によって使う薬剤は変えるが、多くの場合CHOPベースプロトコル(シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ステロイドという薬剤を使う⽅法)が⾏われる。
低悪性度リンパ腫の場合、ステロイドと飲み薬の抗がん剤を使うことが多い。

⽪膚型リンパ腫

⽪膚に限局するリンパ腫。

○ 症状
⽪膚の⾚み、フケ、しこり、ただれなどの症状を⽰す。
○ 傾向
G・レトリバー、W・コーギー、シーズーに多いと⾔われている。
○ 診断
⽪膚⽣検(⽪膚の⼀部を切り取る検査)にて確定診断を⾏う。
○ 治療
第1選択は化学療法(抗がん剤治療)である。
細かい状況により薬剤選択の判断は変わるが、⼀般的にロムスチンという薬が有効という報告が多い。

それ以外のリンパ腫

多中⼼型、胃腸管型、⽪膚型以外にもリンパ腫の型が報告されている。これ以外には、肝脾リンパ腫(肝臓と脾臓に限局するリンパ腫)、腎臓リンパ腫(腎臓に限局するリンパ腫)などがあります。

○ 症状
元気や⾷欲の低下、嘔吐、下痢などが⾒られる。またリンパ腫が発⽣する部位によって、その臓器に関係する症状も⾒られる。
○ 診断
リンパ腫ができている部位によって変わることもあるが、基本的にはFNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で診断することが多い。
○ 治療
第1選択は化学療法(抗がん剤治療)である。
その⼦の症状やリンパ腫ができている部位によって薬の選択は変わる。

⾻⾁腫

⾻にできる悪性腫瘍。

○ 症状
⾜の痛み、⾜が腫れている、歩き⽅がおかしいということで、来院されることが多い。
○ 傾向
L・レトリバー、G・レトリバー、セント・バーナード、秋⽥⽝などの⼤型⽝に多い。転移することが多い。
○ 診断
レントゲン検査で疑い、腫瘍の⼀部を切り取り検査することで確定診断されることが多い。
○ 治療
第1選択は外科⼿術である。⾼い確率で転移を起こすことから、外科⼿術後に化学療法(抗がん剤)を使うこともある。
腫瘍による痛みを抑えるために、痛み⽌めなどの緩和療法や放射線治療を⾏うこともある。

扁平上⽪癌

⽪膚や粘膜にできる悪性腫瘍。

○ 症状
⽪膚の傷、ただれ、出⾎が多い。
○ 傾向
⽪膚腫瘍の6%がこの扁平上⽪癌であり、治りにくい傷が実はこの癌であったというケースも少なくない。
○ 診断
腫瘍の⼀部を切り取り検査することで、確定診断されることが多い。
○ 治療
第1選択は外科⼿術である。⼿術が難しい場所には、放射線治療を⾏う場合もある。化学療法としては、NSAIDsや分⼦標的薬を使⽤することもある。

肛⾨周囲腺腫

肛⾨周囲を中⼼に発⽣する⽪膚にある油の分泌腺の良性腫瘍。

○ 症状
⽪膚のしこりを事態に気づかれたり、しこりからの出⾎で来院される。
○ 傾向
テストステロン(男性ホルモン)によってしこりができてくるので、未去勢のオスに多い。
○ 診断
FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)か腫瘤の⼀部を切り取り調べ、仮診断 or 確定診断を⾏う。
○ 治療
第1選択は精巣摘出⼿術である。多くの肛⾨周囲腺腫は、精巣を取り除くことで⼩さくなり無くなることもある。すでに去勢している症例やメスの場合は、しこり⾃体をとる⼿術を⾏う。

軟部組織⾁腫

主に⽪膚の下などできる悪性腫瘍。

○ 症状
腫れや膨らみ。時に痛みを伴うこともある。
○ 傾向
G・レトリバー、W・コーギー、シェルティーなどに多いと⾔われている。
○ 診断
FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)か腫瘤の⼀部を切り取り調べ、仮診断 or 確定診断を⾏う。
○ 治療
第1選択は外科摘出である。かなり広範囲の切除が必要なケースもある。⼿術が難しい部位や⼿術の後に、放射線治療を⾏うこともある。

脂肪腫

主に⽪膚の下の脂肪にできる良性腫瘍。

○ 症状
腫れや膨らみ。
○ 診断
FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)と⽪膚エコー検査で概ね診断できる。
○ 治療
多くのケースでゆっくり⼤きくはなるが、害がなければ様⼦を⾒るケースもある。治療の⼿段としては、外科摘出かトリアムシノロン(ステロイド)の腫瘍内投与が⾏われることがある。

⽪膚組織球種

⽪膚にできる良性腫瘍。

○ 症状
⽪膚のしこり、⾚み。
○ 傾向
3才未満の若い⽝に発⽣が多い。しこりは多くの場合で1個である。
○ 診断
FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で仮診断を⾏う。
○ 治療
基本的には無治療で3ヶ⽉以内に⼩さくなり無くなる。本⼈が気にしたり傷になる場合、また確定診断のために外科切除を⾏うこともある。

肥満細胞腫

主に⽪膚にできる悪性腫瘍。

○ 症状
⽪膚のしこり、⾚み。
○ 傾向
⽝の⽪膚腫瘍の中で1番多く、全⽪膚腫瘍の20%ほどとも⾔われている。
パグでは複数の肥満細胞腫が発生する事がある。
○ 診断
FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で多くの場合確定診断を⾏う。
○ 治療
第⼀選択は外科切除である。切除が困難な場合や再発する場合に、化学療法として抗がん剤や分⼦標的薬、ステロイドを使⽤することがある。

乳腺腫瘍

乳腺にできる腫瘍。良性と悪性がある。

○ 症状
お腹の⽪膚のしこり。
○ 傾向
M・ダックスフント、シーズーに多い。初めての発情の前に避妊⼿術を⾏うことで、発⽣率が0.5%まで低下すると⾔われている。
良性:悪性=2:1とも⾔われ、⼤型⽝では悪性腫瘍である割合 が増える。
○ 診断
発⽣部位で乳腺腫瘍を疑い、FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で確認することもある。基本的には外科摘出後の検査で、良性・悪性の評価ができる。
○ 治療
第⼀選択は外科切除である。外科切除には、治療と検査両⽅の意味合いがある。⼿術後、もしくは⼿術前に転移を確認した症例には、化学療法(抗がん剤や分⼦標的薬)を⾏うこともある。

猫の腫瘍疾患

⼝腔内扁平上⽪癌

⼝の中の粘膜から発⽣する悪性腫瘍。

○ 症状
⼝に痛みが起こる事が多く、⼝を気にする、⾷べずらそうにする、よだれが垂れる、出⾎する、という症状が多い。腫瘍が進⾏すると、顎の腫れも⽬⽴ってくる。
○ 傾向
猫の⼝の中の腫瘍の、70〜80%が⼝腔内扁平上⽪癌とも⾔われている。完全切除が難しい場合、1年⽣存率は10%以下とも⾔われている。
○ 診断
腫瘍の⼀部を切り取り検査することで確定診断がでる。また外科⼿術も選択肢として検討する場合は、CT検査も同時に⾏う事が多い。
○ 治療
部位によるが治療の第⼀選択は外科⼿術である。しかし外科⼿術困難な部位に腫瘍ができたり、外科切除による外⾒の変化が許容できない場合は、放射線治療や化学療法が⾏われることもある。

⿐腺癌

⿐の中の壁から発⽣する悪性腫瘍。

○ 症状
⿐⽔、⿐出⾎、くしゃみ、呼吸困難、顔⾯変形など腫瘍の進⾏の程度により様々である。
○ 傾向
猫の⿐の腫瘍では、⿐腔内リンパ腫の次に多く⿐の腫瘍の20%が⿐腺癌であったという報告もある。中⾼齢(平均12才)に多い。
○ 診断
CT検査と同時に⾏う組織⽣検(腫瘍の⼀部を取って調べる検査)で確定診断する。
○ 治療
放射線療法が第1選択となる。その他の治療法(分⼦標的薬)による効果も⼀部報告されている。猫は⿐の病気により嗅覚が損なわれると⾷欲も低下する事が多く、栄養状態の維持・改善のため⾷道チューブや胃瘻チューブを設置する場合もある。

肺腺癌

肺にできる悪性腫瘍。

○ 症状
無症状な症例もいるが、呼吸困難、咳などの症状を⽰すこともある。とても転移しやすい腫瘍で、肺がんが指先に転移し(肺-指症候群)それにより⼤元の肺がんを発⾒するケースもある。
○ 傾向
ペルシャに多いとされている。
○ 診断
胸部レントゲン検査にて確認されることが多い。FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で仮診断を⾏い、外科切除後に確定診断を⾏う。またすでに指先などに転移をしているものは、その部分や他の部分の組織検査・FNAによっても暫定診断する場合もある。
○ 治療
すでに転移が認められるものや、腫瘍の部位により摘出が困難なものを除いて外科摘出が第1選択となる。また⼀部の化学療法剤(抗がん治療薬)では有効性が報告されている。
ただ症状が出てからの治療は困難なケースが多い。この病気の治療に成功した例は、健康診断により肺腫瘍をたまたま発⾒し⼿術を⾏った症例なども報告されており、早期発⾒がとても重要な腫瘍である。

腸腺癌

腸にできる悪性腫瘍で、腸粘膜から発⽣する。

○ 症状
⾷欲低下、体重減少、嘔吐、下痢、⾎便などが⾒られる。
○ 傾向
猫の胃・⼩腸に発⽣する腫瘍で、リンパ腫の次に多い腫瘍である。ただ⼤腸においては、腺癌の⽅がリンパ腫よりも発⽣頻度が⾼い。
○ 診断
腹部エコー検査でその存在を疑う。外科切除後に確定診断を⾏う。
○ 治療
症状の改善と完治を⽬的として、外科切除が⾏われることが多い。腹腔内播種や転移が⾒られる症例においては、化学療法(抗がん剤)が⾏われることがあるが、その有効性は不明なところも多い。

乳腺腫瘍

乳腺にできる腫瘍で、良性と悪性腫瘍がある。

○ 症状
⽪膚のしこりに気づき来院する場合が多い。猫⾃⾝は気にしないか、違和感や痛みによりしこりを舐めることもある。
○ 傾向
⽝と違い、その90%が悪性腫瘍である。直径が3cmを超える悪性腫瘍の場合、⽣存期間が6ヶ⽉という報告もある。
○ 診断
発⽣部位により乳腺腫瘍を疑い、FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)や⽪膚エコーなどで、腫瘍の種類、リンパ節転移などを確認する。腫瘍⾃体の診断は、外科切除の後判断される。
○ 治療
基本的には⽚側の乳腺を全摘出する「乳腺⽚側全摘出⼿術」を⾏う。リンパ節などの評価や、腫瘍が左右の乳腺を跨いで存在する場合は、両⽅の乳腺を全摘出する「乳腺両側全摘出⼿術」を⾏うこともある。また術前・術後に転移が⾒られた場合、化学療法を⾏うこともある。化学療法には、抗がん剤や分⼦標的薬、NSAIDsが使われる。

縦隔型リンパ腫

縦隔(胸の中)にできるリンパ腫。

○ 症状
元気・⾷欲の低下、嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状が⾒られる事がある。
○ 傾向
昔はFeLV(猫⽩⾎病ウイルス)感染により2〜4才の若い猫に⾒られた。現在はFeLV抗原の陽性率が下がったことから、この病気の発⽣数も下がってきている。
○ 診断
リンパ節へのFNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で腫瘍細胞を確認すれば確定診断できる場合もある。また腫瘍の影響で胸に⽔(胸⽔)が出ている場合、その胸⽔を調べることでこの腫瘍を強く疑う事ができる。
○ 治療
第1選択は化学療法(抗がん剤治療)である。
多くの場合COPプロトコルやCHOPベースプロトコル(シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ステロイドという薬剤を使う⽅法)が⾏われる。

胃腸管型リンパ腫

胃や腸、周りのリンパ節に限局してリンパ腫。⾼悪性度と低悪性度のものがある。

○ 症状
元気・⾷欲の低下、嘔吐、下痢など⼀般的なお腹の症状が⾒られる。
○ 傾向
胃・腸にできる腫瘍の55%がこのリンパ腫である。
○ 診断
エコー検査で存在を疑い、FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で確定診断が出ることもある。低悪性度のものは、エコーで異常を認めない場合もある。内視鏡検査で確定診断を⾏うことが多い。
○ 治療
第1選択は化学療法(抗がん剤治療)である。
リンパ腫の種類によって使う薬剤は変えるが、多くの場合CHOPベースプロトコル(シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ステロイドという薬剤を使う⽅法)が⾏われる。
低悪性度リンパ腫の場合、ステロイドと飲み薬の抗がん剤を使うことが多い。
腫瘍が塊で存在している場合、外科切除を⾏うケースもある。

⿐腔内リンパ腫

⿐の粘膜から発⽣するリンパ腫。

○ 症状
⿐⽔、つまり、⿐出⾎、呼吸困難、⾷欲が無くなる、といった症状が⾒られる。
○ 傾向
猫の⿐の腫瘍では発⽣率が1番⾼い。他の⿐と腫瘍⽐較して若い年齢でできることもある。
○ 診断
レントゲン検査などでその存在を疑い、CT検査と同時に腫瘍の⼀部をとってくる検査を⾏い確定診断が出る。
○ 治療
第1選択は放射線治療である。放射線治療が⾏えない場合、化学療法(抗がん剤治療)を⾏う事がある。
細かい状況により薬剤選択の判断は変わる。

それ以外のリンパ腫

猫には他に、肝脾リンパ腫(肝臓と脾臓に限局するリンパ腫)、腎臓リンパ腫(腎臓に限局するリンパ腫)、などがあります。

○ 症状
元気や⾷欲の低下、嘔吐、下痢などが⾒られる。またリンパ腫が発⽣する部位によって、その臓器に関係する症状も⾒られる。
○ 診断
リンパ腫ができている部位によって変わることもあるが、基本的にはFNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で診断することが多い。
○ 治療
第1選択は化学療法(抗がん剤治療)である。
その⼦の症状やリンパ腫ができている部位によって薬の選択は変わる。

軟部組織⾁腫

主に⽪膚の下などできる悪性腫瘍。猫は注射部位にこの腫瘍ができる事がある。

○ 症状
腫れや膨らみ。時に痛みを伴うこともある。
○ 傾向
ワクチン接種後にできるものは、1〜16/10,000頭と⾔われており、接種後4週間〜10年と幅広い期間での発⽣が報告されている。
○ 診断
FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)か腫瘤の⼀部を切り取り調べ、仮診断 or 確定診断を⾏う。
○ 治療
第1選択は外科摘出である。かなり広範囲の切除が必要なケースもある。⼿術が難しい部位や⼿術の後に、放射線治療を⾏うこともある。

肥満細胞腫

主に⽪膚か内臓にできる悪性腫瘍。⽪膚型と内臓型がある。

○ 症状
⽪膚型の場合、⽪膚のしこり、⾚み。内臓型の場合、嘔吐、下痢などの症状を⽰す事がある。
○ 傾向
猫の⽪膚に発⽣する腫瘍で2番⽬に多く。⽪膚型で悪性度の低いものは、ゆっくりとした経過を⽰す事が多い。
○ 診断
FNA(針で細胞の⼀部を取ってくる検査)で多くの場合確定診断を⾏う。
○ 治療
第⼀選択は外科切除である。切除が困難な場合や再発する場合に、化学療法として抗がん剤や分⼦標的薬、ステロイドを使⽤することがある。

診療時間
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休診日火曜、日曜、祝日

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青山台近隣センター内

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