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犬の原発性骨腫瘍でもっとも多く、85%以上を占める悪性腫瘍です。
大型犬での発症が多く、約75%が四肢に発生し、残りは体軸骨格で見られます。
(15kg以下の小型犬では、体軸骨格での発生が59%を占める)
臨床症状は、多くが四肢の骨に発生するため足(骨)が腫れたり、足に痛みが出ることで歩行を嫌がったりすることがあります。
「骨が通常膨らまない部分で膨らむ」、「足をかばうように歩く」などの症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
骨肉腫になりやすい年齢は2グループあり、7~9歳が最も多く、続いて18∼24ヶ月齢でも小ピークが存在しています。
好発犬種は、セント・バーナード、グレート・デーン、ドーベルマン、ゴールデン・レトリーバーなど。
猫は骨の腫瘍がかなり稀ですが、骨から発生する腫瘍のほとんどは骨肉腫だと言われています。
骨肉腫は、骨芽細胞という骨を作る細胞が変異し悪性腫瘍化したものです。
診断には、X線検査と針生検、病理組織学的検査(骨生検)を実施します。
X線検査にて溶骨性の病変などが認められた場合でも、その他の骨原発性腫瘍(軟骨肉腫、繊維肉腫など)が挙げられるため確定診断には至りません。
病理組織学的検査で腫瘍細胞と骨の特徴を持つ組織を確認することで、確定診断を行います。
高確率で転移が発生し、断脚などの局所治療のみでは90%以上が1年以内に転移によって死亡しているという報告があります。
進行状態を把握する為に胸部X線検査にて肺転移の有無を確認することは、最低限実施する必要があります。
微小転移を見つける目的でCT検査を実施すること場合もあります。
積極的な治療と緩和治療に分けられます。。積極的な治療には、局所治療と全身療法に分けられます。
外科手術が可能な場合、四肢では断脚、顎や肋骨ではそれぞれの切除が一般的です。
転移率が高いため、術後は放射線療法や化学療法を行うことが推奨されます。
また、外科手術が困難な場合にも放射線治療が選択できます。
放射線療法は痛みを緩和させる効果もありますが、病的骨折など放射線障害も多く報告されています。
化学療法の追加により、外科単独と比較して転移の速度を遅らせることが出来ます。
断脚のみの中央生存期間(100頭の子がいて、そのうち50頭が亡くなる期間)は約4~5ヶ月ですが、化学療法を追加した場合は約8~12ヶ月といわれています。
主に骨溶解の痛みに対する疼痛緩和が挙げられます。
放射線治療から一般的な鎮痛薬まで様々な方法があります。
四肢の骨肉腫の場合、断脚単独は根治治療としては期待できないものの痛みの元を断つという意味での緩和治療としては有効です。