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猫の脾臓の腫瘍 | ESSE動物病院 吹田市|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

猫の脾臓の腫瘍 | ESSE動物病院 吹田市

大阪府吹田市・豊中市・箕面市の皆さん。こんにちは。ESSE動物病院の院長 福間です。

 

今回は猫の脾臓の病気について、実際の話をもとに書いていきたいと思います。

 

 

脾臓ってどんな臓器?

脾臓っていう臓器を知っていますか?

脾臓とはお腹の中にある臓器で、体の左側で皮膚に近いところにある臓器です。

脾臓は、血液を貯蔵したり古くなった赤血球を処理したり免疫機能を調整する働きがあります。

大事な役割を果たしている臓器ですが、他の臓器が似たような働きをしていることもあり、病気になった時などやむを得ない状況では手術で全てを取っても生きていける数少ない臓器でもあります。

 

 

脾臓の腫瘍

脾臓にも腫瘍ができることがあります。(転移することもあります)

そしてその中で、脾臓にできやすい悪性腫瘍というのもわかってきています。

犬では、「血管肉腫」という悪性腫瘍が1番できやすいとされています。一部の報告では、手術で採った脾臓にできた腫瘍のうちの50%以上は血管肉腫だったという報告もあります。

(もちろんエコーなどで明らかに血管肉腫ではないものは手術を行わないので、このパーセンテージ=発生率ではないということです。)

では猫でも同じなのでしょうか?

ここが興味深いところで、猫ではこの血管肉腫はできやすい悪性腫瘍No.1ではないんです。(当たり前に聞こえますが、犬と猫は違うんです)

猫では、「肥満細胞腫」という悪性腫瘍が1番できやすいとされています。先ほどと同様に、猫の脾臓にできた腫瘍で手術でとって調べたもののうち60%以上がこの肥満細胞腫だったという報告もあります。猫の脾臓には、肥満細胞腫という悪性腫瘍ができやすいんですね。

 

 

猫の肥満細胞腫はどうやって検査する?

うちの子がこの腫瘍を持っているかどうか?どうするばわかるのでしょうか?

この肥満細胞腫は、臨床症状としては元気・食欲がないなどの特徴的でない症状を示すことが多いです。

最初に私たちがこの脾臓の肥満細胞腫を考える異常は、お腹のエコー検査で、脾臓が腫れているのを見つけた時です。

下が実際のエコー画像です。

黄色の点線で長さを測っているの部分が脾臓になります。

その厚みは2.3cmです。これ、めちゃくちゃ腫れています。(猫の脾臓は、厚みが大体1cm未満のことが多いと思います)

これを見ると、自分の頭の中に疑わしい病気として「脾臓の肥満細胞腫」が浮かんできます。

 

この子はこの後手術を行い、脾臓の肥満細胞腫であることがわかりました。

 

 

診断はどうする?

ここで医療に詳しい人は、「手術前に診断できないの?」「針の検査は?」という疑問が浮かんだかもしれません。

これらはとても大事な疑問だと思います。

実際に針の検査を行うこともあります。

肥満細胞腫は針の検査でかなり特徴的な細胞がとれてくることも多いので、それだけで確定診断に近い診断を下せることもあります。

ちなみに針の検査をするとこんな細胞が取れてきます。細胞の中に小さな粒々がありこれが一つの特徴です。

ただ、今回は行いませんでした。

理由としては、脾臓の異常が原因と考えられる白血球や血小板の低下があったので、どちらにしても手術が必要だと考えたのと、

肥満細胞腫は血を止めにくくする成分を出すこともあり、針の検査によってお腹の中で出血が起こってしまうリスクも考えたためです。

また、後にも書きますが脾臓の肥満細胞腫はどちらにしても手術できるのであれば手術した方が長生きすることがあるので、治療の方針も変わらないかと思っていたからです。

 

 

 

猫の脾臓の肥満細胞腫への治療

通常は、手術できれば手術をします。

手術で脾臓ごと肥満細胞腫を摘出することで、長生きすることもあります

そして、これはすでに転移をしている疑いがあっても手術ができれば手術をします。

なぜかはわからないのですが、皮膚などに転移をしていても大元の脾臓を手術で取ることで、転移していたところも治ることがあるからです。

 

どうしても手術ができない、もしくはしたくない場合は、「イマチニブ」などの分子標的薬といったお薬で治療をすることがあります。

 

 

 

肥満細胞腫へのよくある誤解

ちなみに、肥満細胞腫の話をした時によくある誤解があるのでそれも話しておきます。

肥満細胞腫の名前を出したときに、「太らせたのがいけないんでしょうか?」といった質問をよく受けますが、

肥満細胞腫の“肥満”は、体脂肪が体にたくさんつく“肥満”とは別の意味です。

肥満細胞腫の元となる肥満細胞は、細胞が粒々とした顆粒を多く含む傾向にあり、この丸々と膨らんだ細胞質から名付けられています。

ですので、太っている子がなりやすいなどの話は全くありませんので、誤解しないようお願いします。

 

 

 

まとめ

今回は猫の脾臓にできやすい悪性腫瘍である、肥満細胞腫に関してお話ししました。

猫と犬では、脾臓にできやすい腫瘍が違うということや悪性腫瘍でありますが、積極的に治療をすることで長生きさせてあげることもできる腫瘍であるということがお伝えできれば嬉しいです。

 

 

ESSE動物病院 院長 福間

大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)

駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)

皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています

健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください

 

院長 福間 康洋
院長 福間 康洋
記事監修
院長 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で22人[2021年1月時点])
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
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