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犬のてんかん発作について いつ、どんな治療が必要? 〜原因、症状、検査、治療(薬・食事)を説明します〜|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

犬のてんかん発作について いつ、どんな治療が必要? 〜原因、症状、検査、治療(薬・食事)を説明します〜

大阪府吹田市・豊中市・箕面市の皆さん。こんにちは。ESSE動物病院の院長 福間です。

 

今回は、犬のてんかん発作について検査の必要性や治療の開始時期、お薬について書いていこうと思います。

 

タイトルは、

・てんかん発作って何?

・てんかん発作の原因は?

・てんかん発作の症状は?

・てんかん発作はどのような検査をするの?

・てんかん発作の治療は?発作があったらみんな薬を飲まないといけない?

・てんかん発作への食事療法?

このような内容を書いていきます。

 

 

てんかん発作って何?

 

「てんかん」や「てんかん発作」という言葉はよく聞くと思いますが、このてんかんってなんなのでしょうか?

「てんかん」は、24時間以上の間隔を空けて少なくとも2回以上のてんかん発作を起こす状況を言います。

「てんかん発作」は、大脳の神経細胞が過剰に興奮することにより起こる発作を言います。

つまり、大脳に原因があり発作を繰り返す状態を「てんかん」と言うわけです。

 

 

 

てんかん発作の原因は?

 

てんかんは、「特発性てんかん」と「構造性てんかん」に分類されます。

構造性てんかんとは、脳腫瘍や脳炎などMRI検査や脳脊髄液検査などで、明らかになる脳の異常があるものを指します。

つまり、構造性てんかんであれば脳炎や脳腫瘍など何か別の病気があり、それがてんかん発作を起こす原因であると言うことができます。

 

対して、特発性てんかんとは先ほどあげた臨床的な検査では異常が明らかにならないものを指します。

これは原因として、一部の脳神経細胞が異常な電気活動を起こすことによるものと考えられています。なので「異常がない」わけではなく、「MRIや脳脊髄液検査では異常が見つからない」と言うことです。

 

 

 

てんかん発作の症状は?

 

てんかん発作と言うだけに、症状は「発作」になるわけなのですが、実際にどのようなものがあるのでしょうか?

まず、てんかん発作は「全般発作」と「焦点性発作」に分けられます。

 

全般発作・・・脳全域に異常が起こり起こる発作です。

横に倒れて足をバタつかせたり、ピンっと足をや体を突っ張ったように硬直するような、いわゆる発作と聞いて私たちが想像するような全身で起こる発作を起こします。

 

焦点性発作・・・脳の部分的に異常が起こり起こる発作です。

起こる部分により、幻覚をみたり、攻撃的になったり、意識が無くなったりと様々な見え方の発作を起こします。

 

一般的に飼い主さんがこれらを見分ける必要はないと思いますが、てんかん発作は色々な発作のタイプがあるんだ、と言うことは認識しておいてもいいかと思います。

ちょっと普通じゃない行動をしていたり、違和感を感じる行動(私は、飼い主さんの違和感って結構あてになると思っています!)している場合は、獣医師に相談してみるのも一つだと思います。

そしてその時に、発作を疑う様子の動画を撮って持っていくと、獣医さんが診療を進めていく中でとても役に立つと思います。

 

 

 

てんかん発作はどのような検査をするの?

 

てんかん発作が起こっている場合は、私たちは以下のような検査を実施・提案します。

  • 身体検査・・・まず、診察室で体を触り聴診器を当てて、一般状態の変化がないかを確認します。

 

  • 神経学的検査・・・これは、脳や脊髄などの中枢神経に外からわかるような異常がないかを確認する検査です。この時に、例えば左右の瞳孔が不対象であるなどの、神経学的検査の異常があれば脳に構造的な変化が起こっている可能性を考えて、画像検査の必要性が高いことを伝えることができることもあります。

 

  • 血液検査・・・肝臓や腎臓などの異常により、脳に発作が起きていないかを確認することができます。また、この後に麻酔が必要な画像検査に進むにあたって、麻酔のリスクを確認することもできます。

 

  • MRI・・・これは全身麻酔が必要な検査であるため、飼い主さんとの相談によっては実施しないこともありますが、確認の意味も含めて基本的に全員に提案をします。

 

  • 脳脊髄液検査・・・これは脳の周りを満たしている液体で、これを調べることで脳炎など脳の異常を確認することができます。これも全身麻酔下で行う検査なので、多くはMRI検査とセットで行われることが多いです。

 

これらの検査は全てをしないと治療に進めないと言うわけではないので、検査をするメリットなどを説明した上で状況に合わせて治療などを進めていきます。

 

 

 

 

てんかん発作の治療は?発作があったらみんな薬を飲まないといけない?

 

てんかん発作への治療としては、抗てんかん薬という薬を飲むことで行います。

この抗てんかん薬には、フェノバルビタール、ゾニサミド、臭化カリウム、レベチラセタムなどの薬があり、

これらの薬から、1種類もしくは複数種類を使っててんかん発作の回数が3ヶ月に1回以内になるように治療していきます。

 

てんかん発作が起こっているのにこれらの抗てんかん薬による治療を行わないと、異常を起こす脳神経細胞が増えてきて程度の軽い発作が徐々にひどくなってくることもあるので、適切な量の薬を適切な期間飲む必要があります。

 

ゾニサミドやフェノバルビタールは、血中濃度を測ることで適切な量であるかを知ることができるので、治療期間中これらの濃度測定も行うことがあります。

 

また治療をしていく中で、発作の頻度が3ヶ月に1回以内の場合は薬の減薬・休薬などを検討することもあります。

 

逆に言うと発作の頻度が3ヶ月に1回以内や、過度の緊張など発作を起こすトリガーがわかっている場合は、抗てんかん薬を使用しないケースもあります。

 

 

 

てんかん発作の食事療法?

実は現在、てんかん発作への食事療法も存在します。

「PURINA」というメーカー「ニューロケア」と言う商品がてんかん患者用の療法食として売られており、

有効成分である中鎖脂肪酸がグルタミン酸受容体を阻害することで、抗発作作用があることが示唆されています。

この「PURINA」は動物病院専用の療法食であるため、興味ある方は動物病院に問い合わせてみてください!

 

 

 

まとめ

今回は、てんかん発作について書かせていただきました。

今回の話で特に大事だと思うところは、

  • 発作っていろんなタイプがある。おかしいと思ったら(できたら)ビデオを撮って病院へ。
  • 発作も総合診断が必要。身体検査や神経学的検査をしっかりする病院をお勧めします!
  • お薬は複数あります。食事療法も含めて選択肢があることを知っておいてください。

こんなところだと思います。

 

てんかん発作などでお悩みの場合は、相談受け付けてます。

メールやLINEでの事前相談もお気軽にご利用ください^_^

 

 

 

ESSE動物病院 院長 福間

大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)

駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)

皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています

健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください

 

 

院長 福間 康洋
院長 福間 康洋
記事監修
院長 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
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