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大阪府吹田市・豊中市・箕面市の皆さん。こんにちは。
大阪府吹田市のESSE動物病院の院長 福間です。
犬が下痢をすることは、それほど珍しくはありませんが、頻度が高かったり、便の性状に異常が認められたりする場合は要注意です。
今回は犬のゼリー状の下痢について、わかりやすく解説します。
ゼリー状の下痢を専門的には粘液便(ねんえきべん)といいます。
よく「粘膜が出た!」とびっくりして便を持ってくる方もいますが、粘膜ではなく粘液なんです。
粘液便とはその名の通り粘液をまとった便で、主に大腸の異常が原因となります。大腸は健全な状態でも粘液をたくさん分泌する器官ですが、その量が過剰になると粘液便という形で異常が認められるようになります。
腸から分泌される粘液は、「便をスムーズに排泄する」「腸粘膜から細菌が侵入するのを防ぐ」役割を担っています。そのため、何らかの理由で腸粘膜が傷つくと、外からの刺激を防ぐために粘液が多量に分泌されるようになるのです。これがゼリー状の下痢になる主な原因と考えています。
大腸が傷つく原因としては、以下の3つが挙げられます。
アレルゲンとなる食物を摂取すると、消化管で炎症を起こすことがあります。これもまたゼリー状の下痢の原因となり得ます。
犬は強いストレスに晒されることで、大腸炎になることがあります。そのメカニズムは不明な点も多く、現状まだ解明されていませんが、ストレスを取り除くことで症状も改善されることが多いです。
下痢や便秘というのは、消化管にとても大きな負担をかけます。それが日常的に繰り返されていると、当然ではありますが腸粘膜も傷つきます。つまり、下痢を放置すると腸の粘膜が傷つき、粘膜便の症状も悪化していく、ということです。
総じていうと、粘液便は大腸粘膜が傷つくことによって起こる消化器症状の1つと言えます。
粘液状のものが出るとびっくりしますが、「ああ、大腸粘膜が傷ついて炎症を起こしているんだな。大腸炎を治療しないといけないな。」というふうに考えていただければいいかと思います。
粘液便を伴う下痢の治療は、基本的に大腸炎の治療と変わりないと考えています。
つまり、寄生虫などの治療法が大きく変わる病気が隠れていないかを確認した後、下痢止め・整腸剤の組み合わせで飲み薬を飲むことで、原因がはっきりしない一過性の下痢の場合は、多くに症状の改善が見られます。
逆に、この一般的な治療に反応せず症状の悪化が見られたり良くならない場合は、細菌性腸炎・食物アレルギー・免疫疾患・がんなどを疑ってさらに詳しい検査を行ったり、治療の変更を行います。
▼まとめ
このように、犬のゼリー状の下痢は、大腸に異常があることが多いです。一過性の症状であれば安静にしておくことで改善するのですが、繰り返す場合や症状が続く場合は動物病院での治療が必要となるケースもありますので、不安に感じたらいつでも当院までご相談ください。
大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)
駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)
皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています
健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください。