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大阪府吹田市・豊中市・箕面市の皆さん。こんにちは。
大阪府吹田市のESSE動物病院の院長 福間です。
子犬の下痢は、1~2日程度でおさまるなら特に問題はありませんが、3日以上続いたり、1日のうちに何度も排泄したりするような場合は注意が必要です。今回はそんな犬の下痢が止まらない時に考えられる理由や原因、病気について解説します。
犬の下痢が止まらない場合、もっとも注意すべきなのはウイルス感染です。とりわけ「パルボウイルス」に感染することによって発症する腸炎は、極めて深刻な病態へと発展することもあるため十分に注意しましょう。
パルボウイルスに感染することで、下痢を始めとしたさまざまな症状が現れる病気です。子犬で重症化しやすく、最悪のケースでは数日で死に至ることもあるため十分な注意が必要です。感染後に発熱、元気消失、食欲不振などが見られ、2日程度経過してから嘔吐や下痢、血便などが現れるようになります。脱水や体重減少も顕著に認められます。
診断は、発症年齢や下痢・嘔吐などの臨床症状で疑い、血液検査で好中球やリンパ球と呼ばれる白血球の減少が見られる「汎白血球減少症」を確認することでその疑いをさらに強めることができます。
確定診断には、抗原検査やPCR検査を用います。
パルボウイルスは、主に糞便や嘔吐物に排泄されます。それらを触れる、なめる、食べるなどすると、鼻腔や口腔を介してウイルスが体内へと侵入します。子犬では離乳期後の生後4〜12週齢の移行抗体が低下するタイミングで感染がピークを迎えます。
パルボウイルス感染症は、犬自身の免疫や体力が充実していれば、感染を防いだり、重症化を免れたりするのは難しくありませんが、感染力・生存力が強いウイルスなので十分な予防処置をとることが大切です。
コアワクチンが入った混合ワクチンを接種することで、犬パルボウイルスだけでなく、犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、狂犬病などの予防効果も期待できます。1回の接種では免疫が獲得されないこともあるため、初年度には複数回接種するのが一般的です。パルボウイルスに対する免疫が獲得できているかどうかは、抗体価検査で調べることができます。
また新たに迎えた子犬が下痢などの症状を示していた場合は、念の為同居の犬とすぐに一緒にしないで体調が安定するまで別の部屋で隔離して世話をするのも、病気を広げない上で必要なことだと思います。
ウイルス感染症への特効薬というのは、現状、存在していません。つまり、体内に感染したウイルスを排除する方法は確立されていないので、基本的に対症療法や補助療法を中心に行っていきます。具体的には、抗生剤の投与、輸液療法、嘔吐や下痢に対しての対症療法を実施して、二次感染の予防や症状の緩和をはかります。体力などが正常に戻れば、犬自身の免疫でパルボウイルスを排除できるようになります。
子犬の下痢が止まらない原因としては、他にも寄生虫感染、細菌感染や食物不耐性(食べているものが体に合わない)などが考えられます。これらの場合も、駆虫薬、抗生剤、食事の変更などを行い治療を行います。
このように、子犬の下痢が止まらない場合は、ウイルス感染症も考えられます。原因となっている病気によって対応も大きく異なりますので、まずは動物病院で精密な検査を行う必要があります。
大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)
駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)
皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています
健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください。