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犬が夜に咳をするのは病気?|もしかしたら心臓病が隠れているかも|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

犬が夜に咳をするのは病気?|もしかしたら心臓病が隠れているかも

飼い主と一緒に寝るトイプードル

「夜になると、愛犬が咳をするようになった」
「昼間は元気なのに、寝る前や明け方に苦しそうな音が聞こえる」
「咳が続いていて、心臓の病気かもしれないと不安」
このようなお悩みを持ったことはありませんか?
犬の咳は呼吸器の異常だけでなく、心臓の病気によって引き起こされることもあるため軽視できません。
とくに夜間に咳が出る場合は、心臓に負担がかかっているサインの可能性も。

今回は、犬が夜に咳をする原因のうち循環器疾患(心臓病)に焦点をあてて、治療法やご家庭でのケア、受診の目安についてご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬が夜に咳をした際の対処の参考にしてください。

夜の咳は心臓病のサイン?

咳というと「風邪」や「気管支炎」といった呼吸器のトラブルをイメージしがちです。
実は犬が咳をする原因はさまざまです。
中でも夜間に咳が目立つ場合は、心臓の病気が関係していることが少なくありません。

夜間は犬が横になる時間が多くなります。
体を横にすると肺への血流が増え、うっ血(血液の渋滞)が起こりやすくなります。
心臓病などで心臓の働きが弱っていると、このうっ血によって肺が刺激され咳が出るという仕組みです。

とくに以下のような心臓病では、夜間の咳が初期症状として現れることがあります。

  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 心不全(うっ血性心不全)
  • 肺水腫(心不全の進行による合併症)

 

こうした病気は、日中には症状が目立たず、夜の咳が最初のサインとなることもあるため、見逃さないことが重要です。

とくに注意したい循環器疾患

循環器疾患はゆっくり進行することが多く、気づいた時には重症化していることもあります。
重症化すると命に関わるため、早期発見・早期治療が重要です。
ここではとくに夜間の咳と関連が深く、注意が必要な病気をご紹介します。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は小型犬に多く見られる心臓病です。
心臓の左心房と左心室を隔てる「僧帽弁」がうまく閉じなくなり、血液が逆流します。
進行すると肺に血液がたまり、夜間や安静時に咳が出やすくなります。

心不全

心不全とは心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液を送れなくなる状態です。
血液が肺にうっ滞し、

  • 夜の咳
  • 呼吸の乱れ
  • 運動不耐性

 

などが見られます。

肺水腫

肺水腫は心不全が進行した結果、肺に水分がたまり呼吸ができなくなる重篤な状態です。
夜間に突然激しく咳き込んだり、呼吸が苦しそうに速くなったりする場合は緊急を要するため、すぐに動物病院を受診しましょう。

テーブルの下で眠る柴犬

治療法と心臓へのアプローチ

夜の咳が心臓病によるものと診断された場合、薬による内科的な管理が基本となります。
病気の進行度や体調に応じて、以下のような薬が使用されることが多いです。

  • 利尿剤:肺にたまった水分を排出して呼吸を楽にします
  • 血管拡張薬:血液の流れをスムーズにし、心臓の負担を軽減します
  • 強心薬:心臓の収縮力を高めてポンプ機能をサポートします

 

これらの薬は、症状や検査結果をもとに細かく調整されます。
治療は継続的に行うことが前提となるため、定期的な通院が大切です。

ご家庭で気をつけること

夜間の咳を和らげるためには、治療と並行して日常生活でのケアもとても大切です。
次のようなポイントに注意してあげましょう。

  • 興奮させすぎないように落ち着いた環境を保つ
  • 首輪ではなくハーネスを使い、気管や血管への圧迫を避ける
  • 肥満は心臓に負担をかけるため、体重管理を意識する
  • 散歩や運動は無理のない範囲で、疲れさせすぎないようにする
  • 寝る場所を快適に保ち、室温・湿度を調整する(乾燥・寒さはNG)

 

こうした配慮によって、咳や呼吸の悪化を防ぎやすくなります。

こんな症状があれば、早めに受診を

夜の咳に加えて、次のような症状が見られる場合は、早めに動物病院へご相談ください。

  • 咳が毎晩続いている
  • 夜中に咳で何度も起きる
  • 呼吸が荒く、苦しそうにしている
  • 舌や歯ぐきが紫色や白っぽく見える
  • 運動後に咳や呼吸困難が起こることがある

 

ご家庭では一過性のものかどうか見分けが難しいケースもあるため、早期に受診しましょう。
心臓の病気は早めの検査・治療がとても大切です。

ベッドで寝ている犬

まとめ

犬が夜に咳をする場合、心臓病が隠れている可能性があります。
とくに僧帽弁閉鎖不全症や心不全では、夜間の咳が初期症状として見られることが多く、放置すると肺水腫や命に関わる状態に進行するおそれも。
「夜だけだから」と様子を見ずに、気になる症状があれば早めにご相談ください。

当院は循環器にも力を入れています。
心臓病は早期発見・早期治療によって、愛犬の生活の質を大きく守ることができます。
気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。

大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田

 

 獣医師 福間 康洋
代表・専科獣医師
福間 康洋
記事監修
代表・専科獣医師 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
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