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「心臓が悪いといわれたけど、どういうこと?」
「僧帽弁閉鎖不全症のステージって、何だろう?」
「ステージによって治療はどう変わるの?」
そんな疑問や不安を感じたことはありませんか?
僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓病の中でも特に多い病気で、進行の程度によって5つのステージに分けられます。
ステージによって治療内容や注意点が異なるために、今の心臓の状態を正しく把握することがとても大切です。
本記事では、僧帽弁閉鎖不全症のステージ分類と、それぞれのステージで見られる症状・治療方法を、わかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、少しでも気になることがあればお気軽にご相談ください。

犬の僧帽弁閉鎖不全症とは、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がしっかり閉じなくなる病気です。
その結果、血液が逆流して心臓に負担がかかり、やがて全身に影響を与えます。
僧帽弁閉鎖不全症が進行すると、次のような症状があらわれます。
どの犬種でも起こる病気ですが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルやチワワなどの小型犬で多く見られます。
僧帽弁閉鎖不全症のステージとは、病気の進行度を示す分類のことです。
ACVIM(アメリカ獣医内科学会)のガイドラインに基づき、5つの段階に分けられています。
ステージ分けを行うのには、次のような理由があります。
このように、ステージを知ることで、今の状態と今後どのようなケアが必要なのかを把握できます。
僧帽弁閉鎖不全症のステージごとの特徴と治療方針についてわかりやすく説明します。
ステージAは、まだ心臓病を発症していない段階ですが、将来的に僧帽弁閉鎖不全症になるリスクがある状態です。
ステージAでは、心臓の異常はなく、症状もありません。
このステージでは将来の発症を防ぐために、早めの健康管理が大切です。
具体的には次のようなことを心がけましょう。
僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種として、
などの小型犬があげられます。
これらの犬種は、症状がなくても若いうちから定期的に健診を受けておくことが、心臓病の早期発見につながります。

ステージBは、心雑音はあるが症状はほとんどなく、日常生活に支障が出ていない状態です。
このステージは病状の程度や心拡大の有無に応じて、B1とB2に分けられます。
ステージB1の特徴は次のとおりです。
この段階では、治療は不要なことが多いですが、定期的な検査で進行を確認することが大切です。
体重管理や塩分控えめの食事など、生活習慣の見直しを始めましょう。
ステージB2では、心臓に負担がかかることで僧帽弁閉鎖不全症が進行します。
この段階の特徴は次のとおりです。
ステージB2の治療では、投薬によって心臓の負担を軽減し、病状の進行をできるだけ抑えることを目標とします。
2〜6か月おきに心エコー検査やレントゲン検査などを行うことが推奨されます。
ステージCは病状が進行し、さらに心臓に負担がかかり肺に水がたまる(肺水腫)などの心不全症状がおこりやすいです。
このステージでは次のような症状が見られます。
特に夜間から明け方の咳がひどくなることが多く、満足に寝れなくなるケースもあります
このステージの治療のポイントは、心臓への負担をできるだけ減らすことです。
具体的には次のような治療を行います。
ステージCでは肺水腫が起こる可能性が高くなります。
飼い主様が肺水腫に気づくことができる一番わかりやすい目安は、呼吸状態の確認です。
次のことをチェックしてあげて下さい。
以上のような状態になっていれば、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
ステージDは、治療を行っていても症状の改善が難しい状態です。
少し動くだけでも呼吸が苦しくなることがあり、安静時でも息が荒くなるなど、
生活に支障が出ます。
このステージで見られるおもな症状は次のとおりです。
この段階では、日常生活にも支障をきたすようになります。
このステージの治療は次のような内容が中心です。
それでも改善が見られない場合には、外科治療も検討することもあります。

僧帽弁閉鎖不全症は進行性の病気ですが、ステージを理解し、早めに対応することで長く安定した生活を送ることが可能です。
獣医師から心雑音を指摘されたら、できるだけ早めに心臓の詳しい検査を受けましょう。
当院では、心エコーやレントゲン検査などで心臓の状態をしっかり確認し、一頭一頭に合わせた治療を行っています。
咳が出る、疲れやすいなど、少しでも気になるサインがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田