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「シャンプーしてもすぐに皮膚がベタつく」
「フケが多く、体から独特のにおいがする」
「皮膚病を繰り返していて、なかなか良くならない」
このような症状が続いている場合、「ケアが悪い」というわけではなく本態性脂漏症という皮膚病が関係している可能性があります。
本態性脂漏症は見た目の問題だけでなく、皮膚炎を慢性的に繰り返す原因にもなる病気です。
今回は、犬の本態性脂漏症について、原因や症状の特徴、治療と日常管理の考え方をわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚トラブルを理解する参考にしてください。
犬の本態性脂漏症とは、皮膚の皮脂分泌や角質の代謝が生まれつき乱れやすい体質によって起こる皮膚病です。
コッカー・スパニエルやウエスティなどでよく見られることがあります。
本態性脂漏症になると、体質によって皮膚が本来もっている「うるおいの調整」や「ターンオーバー」がうまく働かず、皮脂や角質が過剰にたまってしまいます。
その結果、皮膚がベタついたり、フケが増えたりといった症状が慢性的に続くようになります。
一時的な皮膚炎とは異なり、生活を整えれば自然に治るタイプの皮膚病ではないという点が、本態性脂漏症の大きな特徴です。
本態性脂漏症では、皮膚や被毛に次のような変化が見られます。
症状は犬によって差がありますが、複数当てはまるケースも少なくありません。
症状は体全体に出ることもあれば、
などに目立つこともあります。
本態性脂漏症がある犬では、見た目以上に皮膚の環境が不安定な状態が続いています。
そのため、皮膚に常在している菌が増えやすく、二次的な皮膚炎を併発しやすいのが特徴です。
具体的には、
などを繰り返す原因になります。
犬の皮膚が「治療すると一度は良くなるけれど、すぐ再発する」という場合、本態性脂漏症が背景にあることも少なくありません。
脂漏症という言葉は、ほかの皮膚病でも使われることがあります。
そのため、本態性脂漏症との区別が重要です。
続発性脂漏症は、別の病気が原因で脂漏症状が起こっている状態です。
例えば、
などが原因になります。
この場合、原因となる病気を治療することで脂漏症状が改善することがあります。
一方、本態性脂漏症は体質が関係しているため、長期的な管理が必要になります。
本態性脂漏症が疑われる場合、動物病院では次のような検査を行います。
脂漏症そのものを確定するというより、ほかの病気を除外することが重要になります。
これらを総合的に判断し、「体質による脂漏症かどうか」を見極めていきます。
本態性脂漏症の治療では、「完治させる」ことよりも、症状をコントロールして皮膚の状態を安定させることが目的になります。
脂漏症の治療で中心となるのが、薬用シャンプーです。
薬用シャンプーの使用は皮脂や角質を適切に取り除き、皮膚環境を整えることが目的です。
ただし、
は、かえって皮膚を傷める原因になります。
使用頻度や種類は獣医師の指示に従うことが大切です。
マラセチアや細菌感染を併発している場合には、
などが必要に応じて使われます。
二次感染を抑えることで、脂漏症状も落ち着きやすくなります。

本態性脂漏症は、日常管理がとても重要な皮膚病です。
次のような点を意識してあげましょう。
本態性脂漏症は「少し良くなったから」とケアをやめてしまうと、再発を繰り返しやすくなるため注意が必要です。

犬の本態性脂漏症は、皮脂分泌や角質代謝の異常によって起こる、慢性的に付き合っていく必要のある皮膚病です。
ベタつきやフケ、においを繰り返す背景には、この体質が隠れていることがあります。
大切なのは、
という考え方です。
当院では、皮膚科診療にも力を入れ、本態性脂漏症を含む慢性的な皮膚病に対して、検査から治療、日常管理まで丁寧にサポートしています。
皮膚のベタつきやフケが気になる場合は、ぜひ一度ご相談ください。
大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田