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「愛犬の皮膚が黒ずんできた気がする」
「脇やお腹、内股の皮膚がだんだん黒くなっている」
「汚れなのか、病気なのか分からず不安」
このように、犬の皮膚の色の変化に気づいて心配される飼い主様は少なくありません。
犬の皮膚が黒く見える場合、単なる汚れではなく、皮膚のトラブルが慢性的に続いているサインであることがあります。
今回は、犬の皮膚が黒くなる原因や考えられる病気、受診の目安についてわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、皮膚の色の変化に気づいたときの判断材料にしてください。
犬の皮膚が黒くなる背景には、皮膚に慢性的な刺激や炎症が続いていることが関係しています。
皮膚はダメージを受け続けると、自分を守ろうとして色素を増やします。
この状態を「色素沈着」といい、炎症やかゆみを繰り返した結果として起こる変化です。
そのため、皮膚が黒くなること自体が病気というより、皮膚トラブルが長く続いているサインと考えると分かりやすいでしょう。
色素沈着は、全身どこにでも起こる可能性がありますが、とくに刺激を受けやすい部位に目立つことが多いです。
これらの部位は、蒸れやすかったり、舐めたり掻いたりしやすいため、皮膚のダメージが蓄積しやすくなります。
皮膚の黒ずみの背景には、いくつかの皮膚疾患が関係していることがあります。
ここでは代表的な原因を紹介していきましょう。
犬の皮膚が黒くなる原因として最も多いのが、慢性的な皮膚炎です。
アレルギー性皮膚炎などで、
を繰り返していると、皮膚は炎症から身を守るために色素を増やします。
その結果、皮膚が徐々に黒ずんで見えるようになります。
マラセチア性皮膚炎は、酵母様真菌(マラセチア)が過剰に増えることで起こります。
この皮膚炎では、
とともに、色素沈着が進むことがあります。
とくに脇や内股などの蒸れやすい部位で、皮膚が黒く厚くなってくるのが特徴です。
脂漏症がある犬では、皮脂の分泌が多く、皮膚の代謝が乱れやすくなります。
この状態が長く続くと、皮膚炎を併発しやすく、結果として皮膚が黒ずむことがあります。
脂漏症は体質として続きやすいため、色素沈着も慢性的に見られるケースがあることが特徴です。
犬が特定の部位を繰り返し舐めたり掻いたりすることで、皮膚に物理的な刺激が加わり続けます。
この刺激だけでも色素沈着が起こることがあります。
「気づいたらいつも同じ場所を舐めている」という場合は注意が必要ですね。
これまでお伝えしたように、犬の皮膚が黒くなる原因の多くは、炎症や刺激が慢性的に続いた結果として起こる色素沈着です。
しかし、皮膚の黒さが
といった特徴を伴う場合は、皮膚炎とは別の病気を考える必要があります。
そのひとつが、メラノーマ(色素細胞由来の腫瘍)です。
メラノーマは、黒色〜濃い茶色に見えることが多く、皮膚や口の中、指の間などにしこりとして現れることがあります。
色素沈着と異なり、触るとしこりのような硬さを感じるといった点が特徴です。
「黒くなっただけ」と思っていた変化が、実は腫瘍だったというケースもあるため、見た目だけで判断せず、気になる場合は早めに動物病院で診察を受けることが大切です。
皮膚の黒ずみを「汚れているだけ」と思い、頻繁にシャンプーをして落とそうとする方もいらっしゃいます。
しかし、色素沈着は皮膚の内側の変化であるため、洗っても落ちるものではありません。
むしろ、洗いすぎによって皮膚のバリア機能が低下し、かえって皮膚炎や黒ずみが進行してしまうこともあります。
皮膚の色が気になった場合は早めに動物病院に相談しましょう。

犬の皮膚が黒くなっている場合、動物病院では次のような点を確認します。
必要に応じて、皮膚検査や血液検査を行い、色素沈着の原因となっている病気を検査してもらいましょう。
色素沈着そのものを消す治療は基本的に行いません。
治療の目的は、皮膚が黒くなった原因をコントロールすることです。
こうした治療を続けることで、新たな色素沈着の進行を抑えることが期待できます。
皮膚が黒くなっている以外にも、次のような症状があれば早めの受診をおすすめします。
皮膚の色の変化は、皮膚病の経過を知る大切なヒントになります。
日頃からブラッシングやシャンプーなどでケアしながら愛犬の皮膚をチェックしてあげましょう。

犬の皮膚が黒くなる背景には、慢性的な皮膚炎や刺激が続いていることが多くあります。
「黒い=汚れ」ではなく、皮膚トラブルが長く続いているサインとして捉えることが大切です。
当院では、皮膚科診療にも力を入れ、皮膚の色の変化を含めた総合的な評価を行っています。
皮膚の黒ずみやかゆみが気になる場合は、お気軽にご相談ください。
大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田