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腎臓の内側に位置する「副腎」と呼ばれる小さな臓器に発生する腫瘍です。
副腎はコルチゾール(副腎皮質ホルモン)というストレスホルモンを分泌し、体の状態を一定に保つ様にコントロールしています。
副腎腫瘍が発生することでコルチゾール分泌が過剰となり、免疫力低下、多飲多尿、腹部の膨らみ、皮膚症状など「副腎皮質機能亢進症」の症状が見られることもあります。
副腎皮質機能亢進症の15~20%が副腎腫瘍によるものだと言われており、さらにその半分が腺癌です。
近年は健康診断に対する意識の変化などによって偶発的に発見する機会も増えています。
比較的高齢犬に多く見られ、発症年齢中央値は約11歳です。
また合併症として、肺血栓(肺の血管に血栓ができる状態)は副腎皮質機能亢進症の約17%で認められており、時に致死的な問題となります。
また、易感染症によって膀胱炎などが併発する可能性もある為、全身の併発疾患の確認は徹底的に行います。
超音波検査やCT検査によって、副腎の構造異常、腫瘍の大きさ、転移の有無、後大静脈(副腎のすぐ側にある大きな血管)への浸潤や腫瘍栓形成などを確認します。
ただ、画像検査での腫瘍の確定や良性・悪性の判断はできません。
確定診断は、外科切除後の病理組織診断となります。
第一選択は、外科手術による摘出です。
しかし、比較的高い周術期(手術前・手術中・手術後を含めた期間)死亡リスク(約0~22%)を伴うことから、この病態の重症度に加え、基礎疾患や併発疾患を見極めたうえで検討する必要があります。
この手術は腹腔内腫瘍の外科手術の中で特に難しい手術です。
器具の操作がしにくい深い位置に存在していることや、内分泌腫瘍の特徴である微小な血管が多く出血しやすいことが手術を困難にする要因となります。
また、後大静脈への浸潤は術後死亡率の上昇と関連しています(約24%)。
多飲多尿や皮膚の菲薄化などの症状があると、傷の治りが悪くなるなどの術後管理に影響する可能性があるため特に注意が必要です。
腫瘍によって副腎皮質機能亢進症が認められる場合は、外科手術を実行するか否かにかかわらずトリロスタン(アドレスタン)を用いた内科療法を実施する場合が多いです。
腺癌の進行は遅いですが長期的に転移や再発が見られることもあるため、3~5年程度は3~6ヶ月毎に経過を追う検査が必要になります。