ブログ
Blog
ブログ
Blog
血管肉腫は、血管を構成する血管内皮細胞がガン化した悪性腫瘍です。
悪性度が高く、全身へ転移します。
最も多い発生部位は脾臓であり、脾臓に発生する悪性腫瘍の1/2は血管肉腫であると言われています。
転移率も高く、脾臓血管肉腫の場合、ほとんどのケースで他の臓器に転移をしています。
二番目に発生が多い部位は心臓あり、主に右心耳および右心房から発生します。
腫瘍があるだけでは症状はほどんどありません。
進行の程度や状態により幅広い症状が見られ、初期にはいつもより元気が無いという症状くらいのこともあります。
ただ、とても脆い腫瘍なので破裂することが多々あり、お腹の中などで大出血を起こし急変や急死することもあります。
また、血管肉腫はDIC(血管内凝固症候群)と呼ばれる血栓塞栓を併発しやすいのも特徴です。
手術前診断は困難な事が多いです。
超音波検査で血管肉腫も疑う場合は、破裂のリスクを回避するため・診断をつけるために外科摘出ができる部位であれば外科摘出を行います。
手術前のFNA(腫瘤に針を刺して細胞を採る検査)を行うこと自体は可能ですが、血管肉腫は腫瘍自体に豊富に血液が流れており不用意に検査を行うことで、出血させてしまうリスクがあります。なので、当院ではお腹や胸の中にある血管肉腫に対してFNAを行うことはほとんどありません。
例外として、皮膚に転移している場合はFNAを比較的安全に行う事ができます。
通常の場合は、確定診断は腫瘤自体を外科的に切除し、その組織ごと病理組織検査で評価を行う組織生検が最も推奨される方法です。
血管肉腫に対する治療の第1選択は外科手術です。
外科的切除に先立ち、出血性ショック、貧血およびDIC(血管内凝固症候群)などに対する治療が必須となります。
転移率が非常に高く、外科切除だけでは治療が困難なため化学療法(抗がん剤治療)の実施が推奨されます。
抗がん剤治療により生存期間は延長しますが、平均的な予後は半年程度であり一年以上生存することは珍しいです。
化学療法には、ドキソルビシンを使う事が多いです。