ブログ
Blog
ブログ
Blog
鼻の粘膜からできる悪性腫瘍で、犬の鼻にできる腫瘍の中のおよそ50%が鼻腺癌だという報告もあります。
臨床症状は、⿐⽔、⿐出⾎、くしゃみ、呼吸困難、顔⾯変形など腫瘍の進⾏の程度により様々なものが見られますが、片側からの鼻出血を伴う鼻汁の増加が見られた場合は、腫瘍の存在を疑います。
平均発症年齢が10歳で、⻑頭種(ダックス、ボルゾイなど)に多く発⽣し、特にシェルティーに多く⾒られたとする報告があります。
一般診療で行える検査としては、レントゲン検査があります。レントゲン検査で鼻中隔など鼻の中の構造が壊されている場合は、腫瘍を考慮し全身麻酔化で行うCT検査を計画します。CT検査で場所の確認を行なったのち、鼻の中の組織を一部とってきて病理組織検査を行い確定診断を出します。
鼻の病理組織検査は、多くの場合が検査後に鼻出血が悪化します。また、鼻腺癌に対しての病理組織検査は難しく、検査の結果腫瘍細胞が確認されなかった際も臨床的にやCT検査として腫瘍が疑わしい場合は、再度病理組織検査を行うこともあります。
放射線治療を行った場合、生存期間中央値は243〜591日と長く、放射線により腫瘍のサイズ低下や進行抑制を行うことができます。
地域的に放射線治療の実施が難しい場合は、トセラニブリン酸塩やNSAIDsなどを使い化学療法を行うこともあります。