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大阪府吹田市・豊中市・箕面市の皆さん。こんにちは。ESSE動物病院の院長 福間です。
先日、日本獣医救急集中治療学会のオンライン学会があり、今回のテーマは『中毒』と言うことで、中毒物質や誤食時の処置について多くの話を聞くことができました。
その中で学んだ内容を生かして、早速当院の『催吐処置(食べたものを吐かせる処置)』をアップデートしたので、その中身を少し書いていこうと思います。
当院は、今まで「トラネキサム酸」と言う血を止まりやすくする薬を、通常より多めに投与するやり方で吐かせていました。
これは今の獣医療では主流のやり方で、一昔前のオキシドールを飲ませるやり方よりも多くの病院で行われている催吐処置だと思います。
ただ、最近少数ながらこのトラネキサム酸の大量投与により痙攣発作などの副作用を示したという報告が揃い始め、中には死亡した症例報告もありました。
副作用の発生率は2%程度という報告もあり、これが高いか低いかは人によって分かれるところかもしれませんが、私自身はもっと安全な催吐処置のやり方はないかと思ってしまいました。
他の催吐薬(吐かせる薬)には、この学会の中でも紹介があったものとして「アポモルヒネ」という薬があります。
この薬は、トラネキサム酸と異なり痙攣発作などの副作用の報告がなく、また吐く確率もトラネキサム酸と比べ悪くありません。
トラネキサム酸と比較した時の長所と短所は以下の通りです。
・副作用の危険度が低い。
・血管確保(留置針という特殊なプラスチックの針を血管に入れる処置。ここから薬を流すため)をしなくていい。
・トラネキサム酸より薬代がかなり高い。
・鎮静作用がある。
個人的には、価格が1番のネックなのですがやはり安全性の高い医療をしたいので、今回薬を導入しいつでも処置ができるように準備することにしました。
価格に関しては、当分の間は内容をしっかり説明したのち飼い主様に選んでもらうという形式を取ろうかと思います。
誤食や中毒などで、本当に重篤なものは一般病院ではほとんど見ることはありませんが、それでもいつそのような患者さんが来るかわからない以上、常に準備をしておくことが大切です。治療よりも予防を、ということで予防のための情報発信も可能な限り行っていきます。よろしくお願いします。
ESSE動物病院 院長 福間
大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)
駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)
皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています
健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください