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こんにちは!ESSE動物病院看護師の玉城です^^
病院に来院される飼い主さんの中にも療法食をあげられている方がいらっしゃると思います。そもそも、療法食とは何か、普通食とは何が違うのか、療法食を食べてくれない時はどうしたらいいのか、などいくつか疑問があると思います。
また、血液検査で肝臓の数値が少し高いからと、「肝臓用療法食」をネットなどで購入して食べさせていた飼い主様もいました。これは大きな間違いです!
今回はそんな改めて考えるといろんな疑問が浮かんでくる「療法食」についてお話したいと思います。
市販のフードにも動物の体によさそうなものが多くあります。では、動物病院で出される療法食と、市販のフードではどこが違うのでしょうか?
療法食をあげられている飼い主様は見たことがあるかもしれませんが、動物病院で出される療法食のパッケージには「登録療法食マーク」がついています。
https://buneido-shuppan.com/jvmnews/article/jvm20190515-001
このマークは、獣医師が食事療法を行う際に用いる療法食で、獣医療法食評価センターにおいて科学的根拠があると認められ、登録された製品につけられています。
このマークがついている製品は、獣医師の診察と指導が必要になります。
市販のフードにも、病気の予防や治療を連想させるものがたくさんありますが、それはあくまで動物の“健康を維持する”といったものです。
ですので、「尿石の予防」や「肥満の子に」といった文言が書かれていても、あくまで“気を使っている”ということであって、治療効果などの確認までは行っていないものが大半です。
ここは、誤解されている方が多いので気をつけてください。
療法食はいつまで続けるべきなのでしょうか?
病気と一口に言っても、一過性の腹痛から加齢による臓器の機能低下などさまざまです。
ですので、どんな病気なのかによって療法食を与える期間は変わってきます。かかりつけの獣医師に相談しましょう。
療法食と言ってもさまざまな種類のものがあります。
では、療法食にはどのものがあるのでしょうか?いくつか紹介したいと思います。
食物アレルギーの療法食には、体がアレルゲンと確認できないほどに加水分解したたんぱく質や、これまでに食べたことのないたんぱく質などが使用されます。また、療法食を与えるときは、獣医師の許可があるまでほかの食べ物を一切与えないのが重要です。
ストラバイト結石症やシュウ酸カルシュウム結石症などに対応した療法食では、マグネシウムやカルシウム、ナトリウムなどの、ミネラルの含有量が調整されています。また、療法食を与えている間は、ほかの食べ物を与えないように注意する必要がある。
心疾患の療法食では、ナトリウムの量が制限されています。ただし、心疾患の進行度合いや使用する薬の種類によって適切なナトリウム量は異なるため、自分で判断せずに必ず獣医師に相談してください。
腎疾患の療法食は、血液中に老廃物が増えるのを防ぎ、病気を進行させないようにするため、リンやたんぱく質などが制限されています。
どの療法食も、メーカーによって成分やその割合などに違いがあります。また、疾患の状態などによって、栄養管理の内容が変更されることもあります。自己判断せずに、獣医師の指示に従いましょう。
療法食については上記でも少しお話していますが、療法食と一般のフードの違いとは何でしょうか?
特定の病気や健康状態に対応するために、特別に栄養バランスが調整されたフードのことで、獣医師の指導の下で与える必要があるもののことです。
ペットショップなどで販売されている、誰でも気軽に購入できるフードです。
なので、病院で処方される療法食とペットショップなどで購入できる一般食は異なるフードだと認識してください。
療法食に変えたけど、なかなか食べてくれないと悩んでいる飼い主様も多いようです。
そこで、療法を食べない時の対処法や、療法食への切り替え方についてお話します。
病気や使用する療法食にもよりますが、一般的には7日かけてフードを切り替えることがあります。中には食事の切り替えに抵抗を示し、3~4週間以上かかる場合もあります。それまでの食事と新しい食事を混ぜ、時間をかけて新しい食事の割合を増やしていく方法が一般的です。
ただこれはあくまでフードの味になれさせることで、必要であれば一気に変えてしまうこともあるので、ここも獣医師との相談がお勧めです。
*温める
ドライフードでも電子レンジで温めることができます。電子レンジなどで40度程度に温めてみましょう。風味が増して、食用がそそられることがあります。
*お湯でふやかす
お湯でふやかして柔らかくすることで食べやすくなることがあります。
*無理せず少しずつ
食欲が落ちているのなら、少しずつ回数を分けてあげるのでも問題ありません。ゆっくり食べさせてあげましょう。
療法食に変更すると、どのような効果が期待できるのでしょうか?また、獣医師の指示がないのに療法食を与える危険性についてお話しします。
上記でも話したように、療法食とは特定の病気や健康状態に対応するために作られたもので、病気や症状の進行を抑えたり、症状を軽減、改善させたり、再発予防を目的としています。
人の場合でも、糖尿病をはじめとする生活習慣病の改善には、病院での治療のほか食事のコントロールがとても重要です。それと同じく、動物の場合も健康管理をしっかりと行うためには食事療法が不可欠なのです。
例えば、ダイエットの必要がある子には低カロリーのものなど、それぞれの症状に合わせたフードをあげることが、症状改善、緩和の近道となります。
インターネットの普及により、海外製の療法食が毎年のように新しく日本で販売を始め、価格や利便性の観点から病院から紹介されたものをインターネットで購入する飼い主様が増えてきました。ここで問題となるのは、獣医師の目の届かないところで療法食の変更が行われることです。
同じ種類の療法食でも、メーカーによって栄養組成が異なっている場合や、同じものだと思って購入した療法食が、実は別のもの(買い間違え)だったといったことがよくあります。そのため、療法食を変更する際は、必ず獣医師に相談をしましょう。
今回は療法食についてお話ししました。療法食といってもいろいろなものがあります。ご自身で判断して、ネットなどで購入するのではなく、しっかりと獣医師の診察、指示を受けるようにしましょう^^
ESSE動物病院 院長 福間
大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)
駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)
皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています
健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください