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犬の顎(あご)が腫れているかも?|考えられる原因を獣医師が解説|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

犬の顎(あご)が腫れているかも?|考えられる原因を獣医師が解説

犬の顎(あご)が腫れているかも?|考えられる原因を獣医師が解説

犬の顎(あご)が腫れているのに気がつくと、びっくりして不安になりますよね。
犬のあごの腫れは、口腔内のトラブルを中心に腫瘍やアレルギーなどさまざま原因でおこります。
なかには早期の治療が必要なものもあるため、症状を見逃さないことが重要です。

この記事では、犬のあごが腫れる原因やすぐに受診した方がいいケースなどを詳しく解説いたします。
ぜひ、最後までお読みいただき愛犬のあごが腫れてしまったときのために知見を深めてください。

椅子に顎を乗せる柴犬

犬のあごが腫れる原因は?

犬のあごは上顎(じょうがく)と下顎(かがく)で構成されています。
またあごの周囲にはリンパ節や唾液を分泌する唾液腺など多くの器官が密集しています。
あごと一言でいっても部位によって発生する病気も異なります。
そのため、犬のあごが腫れる原因もさまざまです。
犬のあごが腫れる原因についてそれぞれ詳しく解説していきましょう。

口腔内疾患(歯周病、歯根膿瘍)

犬のあごが腫れる原因で最も多いのが、歯周病が悪化した際に起きる根尖膿瘍(歯の根元に膿がたまる)です。
特に小型犬や短頭種はあごが小さく歯が密集しているため、歯周病が悪化しやすい傾向にあります。

歯周病の主な症状は以下のようなものです。

  • 片側だけ腫れる
  • 触ると嫌がる
  • 口臭が強くなる
  • よだれが増えたり、食べにくそうにする


根尖膿瘍によるあごの腫れを放置すると、皮膚が破れて中の膿が出てくることもあります。
また歯周病の悪化によりあごの骨が溶けてくると、特に下顎の方の骨折を引き起こすこともあるため早めの受診が重要です。

下顎リンパ節の腫れ

あごの下には下顎リンパ節という大きなリンパ節があり、感染症や炎症で腫れやすい部位となっています。
下顎リンパ節が腫れる原因として代表的なものは以下です。

  • 口の中の炎症(歯周病・口内炎など)
  • 皮膚炎・外耳炎
  • 細菌・ウイルス感染
  • 免疫系の病気
  • 腫瘍(リンパ腫など)

 

下顎リンパ節の腫れの場合は、あご全体が腫れるのではなく、あごの付け根あたりが盛り上がってきたり、しこりのようなものが触れたりすることが特徴です。

腫瘍(良性・悪性)

あごの腫れの原因のひとつに口腔内腫瘍があります。
以下が代表的な口腔内腫瘍で、良性のものも悪性のものも存在します。

  • メラノーマ(悪性黒色腫)
  • 扁平上皮癌
  • 線維肉腫
  • エプーリス(良性)

 

口腔内腫瘍の場合は以下のような症状が特徴的です。

  • 徐々に大きくなる
  • 出血が認められる
  • 歯ぐきの変形が見られる
  • 口が開けにくそう

 

口腔内腫瘍は進行するまで症状が目立たないことがあるため、発見時には進行していることも少なくありません。
口の中に違和感を覚えたら早めに動物病院を受診しましょう。

唾液腺のトラブル(唾液腺嚢胞)

犬のあごのつけ根近くには唾液腺があり、何らかの原因で損傷すると嚢胞(袋状に唾液がたまる)ができます。
あごの下や、舌、喉の部分に大きな膨らみがみられた場合には唾液腺嚢胞の可能性が高いでしょう。
唾液腺嚢胞は徐々に大きくなるため、場合によっては食事がとりにくくなる場合もあります。

 

外傷

散歩中の家の中での事故や、他の犬との喧嘩であごに外傷をうけると、あごが急激に腫れてしまうことがあります。
炎症により腫れてしまう場合や、内部に血や膿が溜まり膨らむような形で腫れてしまう場合もあります。

あご周囲の皮膚に赤みやあざのような色が見られたり、急に腫れる、触ると痛がるといった症状が出ている場合は外傷を疑います。

アレルギー反応

アレルギー反応によってもあごが腫れる原因となる場合があります。

  • 食べもの
  • ワクチンなどの薬剤
  • 虫刺され

 

などが原因となります。
突然顔全体が腫れることもあり、重症の場合は呼吸困難になることもあるため、気がついた際には早急に動物病院を受診しましょう。

あごが腫れたときのご自宅でのチェックポイント

愛犬のあごが腫れていると気がついたら、以下のような点を確認してみましょう。

  • 腫れは両側か片側か
  • 痛みはありそうか
  • 急に腫れたのか、ゆっくり腫れてきたのか
  • 食欲、よだれ、口臭の変化はあるか

 

上記のポイントを把握しておくと、診察時に早めに原因が分かり早期の治療に繋げることができるでしょう。

飼い主に口をチェックされる犬

動物病院をすぐに受診した方が良い場合は?

犬のあごの腫れの原因は多岐にわたるため、なかには緊急性の高いものもあります。
次のような場合は、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

  • 突然顔が腫れた
  • 痛くて触らせない
  • 食べたり飲んだりできない
  • ぐったりしている
  • 吐き気や呼吸の異常がある
  • 血や膿が出ている

飼い主の手に顎を乗せる犬

まとめ

犬のあごの腫れは、口腔内の疾患を中心にさまざまな原因で起こります。
見た目だけでは判断が難しいため、気がついたら早めに動物病院で診察を受けることが大切です。
特に急な腫れや痛み、食欲不振を伴う場合は要注意です。

当院は歯科診療に力を入れています。
あごが腫れているとき、口の中に違和感を感じたときなどいつでもご相談ください。

大阪府吹田市の動物病院

ESSE動物病院吹田

 

 獣医師 福間 康洋
代表・専科獣医師
福間 康洋
記事監修
代表・専科獣医師 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
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