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「最近、愛犬の体から独特なにおいがする」
「シャンプーしたばかりなのに、すぐに皮膚が臭ってくる」
「抱っこしたときに、なんとなく酸っぱいようなにおいが気になる」
このように犬の皮膚が臭いことが気になったことがある飼い主様も多いと思います。
犬の皮膚のにおいは、体質や生活環境のせいと思われがちですが、皮膚の病気が関係していることも少なくありません。
とくに、以前よりも明らかににおいが強くなった場合は、皮膚のトラブルが進行しているサインの可能性があります。
今回は、犬の皮膚が臭くなる原因や考えられる病気、ご家庭で注意したいポイント、受診の目安について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の皮膚のにおいに気づいたときの判断材料にしてください。
犬の皮膚が臭くなる背景には、皮膚表面で細菌や真菌が増えていることが多く関係しています。
健康な皮膚には本来バリア機能があり、菌が過剰に増えないように保たれています。
しかし、皮膚の状態が崩れると、皮脂や汚れをエサに菌が増殖し、独特のにおいが発生します。
このにおいは「体臭」ではなく、「皮膚トラブルの結果」ということですね。
飼い主様が「おかしいな」と感じやすいにおいには、いくつか特徴があります。
これらは、皮膚の常在菌バランスが崩れているサインのことがあるため注意が必要です。
では犬の皮膚が臭くなる原因にはどのような病気が考えられるのでしょうか?
一つずつ解説していきましょう。
脂漏性皮膚炎は、「触るとベタつく」「洗ってもすぐに臭くなる」といった相談が多い皮膚病です。
脂漏性皮膚炎になると、皮脂の分泌が過剰になり、皮膚がベタつきやすくなります。
皮脂が増えると、皮脂を好む菌が増えることで、強いにおいを感じることがあります。
脂漏性皮膚炎では、においと共に
といった症状が一緒に見られることが特徴です。
マラセチア性皮膚炎は、酵母様真菌(マラセチア)が過剰に増えることで起こります。
とくに
などの湿りやすい部位でにおいが強くなりやすい病気です。
「甘酸っぱい」「独特な発酵臭」と表現されることも多く、ベタつきや赤みを伴うケースがよく見られます。
「耳だけ異様ににおう」「足先が発酵したみたいなにおいがする」という場合にはマラセチア性皮膚炎の可能性があるため早めに受診しましょう。
細菌が皮膚で増殖すると、炎症とともににおいが出ることがあります。
細菌性皮膚炎になると
を伴い、掻き壊しによってさらに症状が悪化することもあります。
細菌性皮膚炎の場合は一時的にシャンプーでにおいが減っても、原因が改善していなければ再発を繰り返します。
アレルギー性皮膚炎そのもので皮膚が臭くなることは多くありません。
ただし、アレルギー性皮膚炎になると、かゆみによる掻き壊しや舐め壊しが起こりやすくなります。
皮膚のバリアが壊れることで、二次的に細菌や真菌が増え、においにつながるということですね。

犬が臭い時はまずシャンプーで綺麗にすることを考えるかもしれません。
「こまめに洗っているのに、すぐ臭くなる」という相談はとても多いです。
この場合、皮膚の表面だけを洗っても、原因そのものが解決していないことが考えられます。
むしろ頻繁すぎるシャンプーが皮膚を乾燥させ、状態を悪化させているケースも。
におい対策には、「洗うこと」よりも「原因を見つけること」が大切です。
犬の皮膚のにおいが気になる場合、動物病院では以下のような検査を行います。
見た目やにおいだけで判断せず、皮膚の状態を確認することで適切な治療につなげます。
犬の皮膚が臭いときの治療は、原因に応じて行われます。
主に以下のような治療が必要です。
においを抑えること自体が目的ではなく、皮膚の状態を整えることがゴールになります。
次のような変化がある場合は、早めの受診をおすすめします。
「ちょっと臭うだけ」と思っていた皮膚の変化が、病気のサインだったということも少なくありません。
気になる症状がある場合は早めに動物病院を受診しましょう。

犬の皮膚のにおいは、体質や汚れだけでなく、皮膚病が隠れていることがあります。
とくに、においが強くなった、繰り返すと感じる場合は注意が必要です。
当院では、皮膚科診療にも力を入れ、においの原因を丁寧に確認したうえで、その犬に合った治療とケアをご提案しています。
「最近ちょっと臭うかも」と感じた段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院