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犬の皮膚が臭いのは病気?|気になるにおいの原因と受診の目安を解説|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

犬の皮膚が臭いのは病気?|気になるにおいの原因と受診の目安を解説

犬の皮膚が臭いのは病気?|気になるにおいの原因と受診の目安を解説

「最近、愛犬の体から独特なにおいがする」
「シャンプーしたばかりなのに、すぐに皮膚が臭ってくる」
「抱っこしたときに、なんとなく酸っぱいようなにおいが気になる」
このように犬の皮膚が臭いことが気になったことがある飼い主様も多いと思います。
犬の皮膚のにおいは、体質や生活環境のせいと思われがちですが、皮膚の病気が関係していることも少なくありません。
とくに、以前よりも明らかににおいが強くなった場合は、皮膚のトラブルが進行しているサインの可能性があります。

今回は、犬の皮膚が臭くなる原因や考えられる病気、ご家庭で注意したいポイント、受診の目安について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の皮膚のにおいに気づいたときの判断材料にしてください。

犬の皮膚が臭くなるのはなぜ?

犬の皮膚が臭くなる背景には、皮膚表面で細菌や真菌が増えていることが多く関係しています。
健康な皮膚には本来バリア機能があり、菌が過剰に増えないように保たれています。
しかし、皮膚の状態が崩れると、皮脂や汚れをエサに菌が増殖し、独特のにおいが発生します。
このにおいは「体臭」ではなく、「皮膚トラブルの結果」ということですね。

こんなにおいは要注意

飼い主様が「おかしいな」と感じやすいにおいには、いくつか特徴があります。

  • 酸っぱいようなにおい
  • 発酵したようなにおい
  • ベタつきを伴う強いにおい
  • 耳や足先だけの強いにおい

 

これらは、皮膚の常在菌バランスが崩れているサインのことがあるため注意が必要です。

犬の皮膚が臭くなる原因として考えられる病気

では犬の皮膚が臭くなる原因にはどのような病気が考えられるのでしょうか?
一つずつ解説していきましょう。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、「触るとベタつく」「洗ってもすぐに臭くなる」といった相談が多い皮膚病です。
脂漏性皮膚炎になると、皮脂の分泌が過剰になり、皮膚がベタつきやすくなります。
皮脂が増えると、皮脂を好む菌が増えることで、強いにおいを感じることがあります。

脂漏性皮膚炎では、においと共に

  • フケが多い
  • 皮膚が湿っている
  • 被毛が油っぽい

 

といった症状が一緒に見られることが特徴です。

マラセチア性皮膚炎

マラセチア性皮膚炎は、酵母様真菌(マラセチア)が過剰に増えることで起こります。

とくに

  • 内股
  • 足先

 

などの湿りやすい部位でにおいが強くなりやすい病気です。
「甘酸っぱい」「独特な発酵臭」と表現されることも多く、ベタつきや赤みを伴うケースがよく見られます。
「耳だけ異様ににおう」「足先が発酵したみたいなにおいがする」という場合にはマラセチア性皮膚炎の可能性があるため早めに受診しましょう。

細菌性皮膚炎(膿皮症)

細菌が皮膚で増殖すると、炎症とともににおいが出ることがあります。
細菌性皮膚炎になると

  • かゆみ
  • 赤み
  • かさぶた

 

を伴い、掻き壊しによってさらに症状が悪化することもあります。
細菌性皮膚炎の場合は一時的にシャンプーでにおいが減っても、原因が改善していなければ再発を繰り返します。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎そのもので皮膚が臭くなることは多くありません。
ただし、アレルギー性皮膚炎になると、かゆみによる掻き壊しや舐め壊しが起こりやすくなります。
皮膚のバリアが壊れることで、二次的に細菌や真菌が増え、においにつながるということですね。

タオルで拭かれている犬

「シャンプーしているのに臭う」ときは?

犬が臭い時はまずシャンプーで綺麗にすることを考えるかもしれません。
「こまめに洗っているのに、すぐ臭くなる」という相談はとても多いです。
この場合、皮膚の表面だけを洗っても、原因そのものが解決していないことが考えられます。
むしろ頻繁すぎるシャンプーが皮膚を乾燥させ、状態を悪化させているケースも。
におい対策には、「洗うこと」よりも「原因を見つけること」が大切です。

動物病院で行う検査

犬の皮膚のにおいが気になる場合、動物病院では以下のような検査を行います。

  • 皮膚の顕微鏡検査
  • 細菌や真菌の確認
  • 必要に応じた培養検査

 

見た目やにおいだけで判断せず、皮膚の状態を確認することで適切な治療につなげます。

治療とケアの考え方

犬の皮膚が臭いときの治療は、原因に応じて行われます。
主に以下のような治療が必要です。

  • 薬用シャンプーによる皮膚環境の改善
  • 抗菌薬・抗真菌薬の使用
  • 皮膚の炎症を抑える治療
  • 体質や生活環境の見直し

 

においを抑えること自体が目的ではなく、皮膚の状態を整えることがゴールになります。

こんな場合は早めに受診を

次のような変化がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 以前より明らかににおいが強くなった
  • ベタつきや赤みが目立つ
  • かゆみや掻き壊しがある
  • 特定の部位だけ強く臭う
  • シャンプーしても改善しない

 

「ちょっと臭うだけ」と思っていた皮膚の変化が、病気のサインだったということも少なくありません。
気になる症状がある場合は早めに動物病院を受診しましょう。

ドライヤーで乾かされる犬

まとめ

犬の皮膚のにおいは、体質や汚れだけでなく、皮膚病が隠れていることがあります。
とくに、においが強くなった、繰り返すと感じる場合は注意が必要です。

当院では、皮膚科診療にも力を入れ、においの原因を丁寧に確認したうえで、その犬に合った治療とケアをご提案しています。
「最近ちょっと臭うかも」と感じた段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院

 

 獣医師 福間 康洋
代表・専科獣医師
福間 康洋
記事監修
代表・専科獣医師 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
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