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犬の皮膚病は、一度治ったように見えても何度も再発することが少なくありません。
「薬を使えば一時的に良くなるけれど、また同じ症状が出る」
このようなケースには、根本の原因が解決されていないことが多くあります。
この記事では、犬の皮膚病が繰り返す原因と、再発を防ぐためにできることを詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の繰り返す皮膚病にお悩みの際にお役立てください。
犬の皮膚病が繰り返す状態とは、単に症状が長引いている状態だけを指すわけではありません。
治療によって一時的に症状が落ち着いても、薬を減らしたり中止したりすると再発する状態をいいます。
このような場合、皮膚そのものに問題があるというより、皮膚炎を起こしやすい体質や基礎疾患が残ったままになっていることがほとんどです。
犬の皮膚病が何度も再発する場合、背景に慢性化しやすい皮膚疾患が隠れていることがよくあります。
ここでは、特に再発が多い代表的な病気について説明します。
犬の皮膚病の中で最も繰り返しやすい皮膚疾患がアレルギー性皮膚炎です。
犬のアレルギー性皮膚炎には以下のようなアレルギーが関与します。
とくに食物アレルギーと環境アレルギーは併発していることも多く、「完全に治す」ことが難しい病気です。
そのため、症状をコントロールし続けることが治療の目標になります。
治療をやめると再発しやすく、「治ったように見えて実は治っていない」状態になりがちなため注意が必要です。
犬の皮膚のバリア機能が弱ると、
が増殖し、皮膚の炎症やかゆみを悪化させます。
細菌性皮膚炎やマラセチア性皮膚炎の根本の原因としてアレルギーがある場合があります。
アレルギー体質が背景にある場合は、薬で一時的に菌が減ってもアレルギーが治っていなければ菌の増殖が改善されません。
根本の原因であるアレルギー体質や生活環境が変わらないと再発することがあるため注意が必要です。
脂漏症とは皮膚の皮脂分泌や角質の代謝が異常となり、皮膚がベタついたりフケが多くなる皮膚病です。
脂漏症がある場合にはマラセチア性皮膚炎などを併発し、繰り返す皮膚病の原因となります。
脂漏症は元々の体質として皮脂分泌が多いケースもあれば、基礎疾患としてアレルギーや内分泌疾患がある場合もあります。
皮膚が刺激物やアレルゲンに直接触れることで、接触性皮膚炎が起こることがあります。
上記のようなものが原因となります。
接触性皮膚炎は原因物質に触れ続けている限り繰り返す皮膚病となるため注意しましょう。
原因物質を避けると改善しやすいのが特徴です。
犬が皮膚病を繰り返す場合には、根本の原因に全身性の疾患があることがあります。
以下の病気があると皮膚病が治りにくく、再発を繰り返す原因となります。
この場合、皮膚だけ治療しても改善しません。
原因となる疾患を特定することと、それに対して適正な治療をすることが重要です。

皮膚病を繰り返すと、「シャンプーのせい?」「フードが合っていない?」と心配になる方も多いと思います。
しかし、多くの場合、これらは皮膚病の直接の原因ではありません。
ただし、次のような要因があると、症状の再発を助長することがあります。
頻繁すぎるシャンプーや、皮膚に合わない洗浄剤の使用は、皮膚のバリア機能をさらに低下させてしまいます。
その結果、「治りにくい皮膚」「再発しやすい皮膚」を作ってしまうことがあります。
皮膚の健康には、良質なタンパク質や脂肪酸、ビタミン類が欠かせません。
栄養バランスの乱れや体質に合わない食事は、皮膚の回復力を下げ、再発しやすい状態につながります。
繰り返す犬の皮膚病の原因のなかにはアレルギー性皮膚炎など、完全に根治できない疾患も多いです。
しかし適切な対処を行えば、なるべく皮膚の症状を軽度に抑え、再発を防ぐことはできます。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
犬の皮膚病の診断にはしっかりとした聞き取り(問診)が重要です。
上記のような今までの経過がより詳しく分かると、診断につながりやすいです。
そして下記のような検査を組み合わせ、原因を特定していきます。
皮膚病は「症状が消えた=治った」ではありません。
症状が改善しても症状の再発を予防するために投薬を継続する場合もあります。
上記のようなことを守ることが、再発防止にとって重要です。
獣医師の指示に従って、投薬を継続していきましょう。
正しいスキンケアを実施することは、皮膚の健康を保ち皮膚症状を防ぐためにとても重要です。
皮膚の乾燥は皮膚バリア機能の低下に繋がります。
またシャンプー後に湿った状態が継続することも皮膚にとって悪影響となります。
しっかり乾かしたあとに、十分な保湿を実施しましょう。
特にアレルギーやアトピー体質の犬の肌は乾燥傾向にあります。
乾燥する冬の時期だけでなく、日常的に保湿を継続していきましょう。
食物アレルギーが疑わしい場合は、原因の食材を避けた食事にしていきます。
普段食べているおやつの成分にも注意が必要です。
栄養バランスのとれた総合栄養食を中心に、皮膚の症状をあわせて食事管理をしていきましょう。
また、サプリメントの使用も有効なことがあるため、かかりつけの獣医師と相談してみてもいいでしょう。
環境中のアレルゲンを完全に排除するのは難しいです。
こまめにシャンプーをしたり、散歩後にタオルで身体や足を拭き取ることでなるべく皮膚の表面からアレルゲンを取り除いてあげましょう。
また、上記のような対策に加え、普段使用している食器や洋服などがその子に合ったものを使用しているか見直してみてもいいかもしれません。
犬の皮膚病の際の「痒み」は些細な症状にみえるかもしれません。
しかし皮膚の症状が長引くと、犬の生活の質(QOL)は大きく低下してしまいます。
また症状が長い期間続いていた場合、治療も長期にわたることが多いです。
愛犬の皮膚に気になる症状がある場合は早めに病院を受診し、対処してあげることが重要です。

犬の皮膚病が繰り返すのは珍しいことではありません。
大切なのは、
といったことになります。
皮膚病とうまく付き合うことで、犬の生活の質は大きく向上します。
「なかなか治らない」と感じたら、治療方法や生活環境を一度見直してみましょう。
当院は皮膚科診療に力をいれています。
繰り返す皮膚病にお悩みの際は、いつでも当院にご相談ください。
大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田