ネット予約はこちらネット予約はこちら
  • 〒565-0875 大阪府吹田市青山台2丁目1-15
MENU

ブログ

Blog

犬の皮膚が黒いのは病気?|色が変わる原因と受診の目安を解説|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

犬の皮膚が黒いのは病気?|色が変わる原因と受診の目安を解説

犬の皮膚が黒いのは病気?|色が変わる原因と受診の目安を解説

バスタブでシャワーを浴びる犬

「愛犬の皮膚が黒ずんできた気がする」
「脇やお腹、内股の皮膚がだんだん黒くなっている」
「汚れなのか、病気なのか分からず不安」
このように、犬の皮膚の色の変化に気づいて心配される飼い主様は少なくありません。
犬の皮膚が黒く見える場合、単なる汚れではなく、皮膚のトラブルが慢性的に続いているサインであることがあります。

今回は、犬の皮膚が黒くなる原因や考えられる病気、受診の目安についてわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、皮膚の色の変化に気づいたときの判断材料にしてください。

犬の皮膚が黒くなるのはなぜ?

犬の皮膚が黒くなる背景には、皮膚に慢性的な刺激や炎症が続いていることが関係しています。
皮膚はダメージを受け続けると、自分を守ろうとして色素を増やします。
この状態を「色素沈着」といい、炎症やかゆみを繰り返した結果として起こる変化です。
そのため、皮膚が黒くなること自体が病気というより、皮膚トラブルが長く続いているサインと考えると分かりやすいでしょう。

皮膚が黒くなりやすい部位

色素沈着は、全身どこにでも起こる可能性がありますが、とくに刺激を受けやすい部位に目立つことが多いです。

  • 脇の下
  • 内股
  • お腹
  • 首まわり
  • 口のまわり
  • 足先

 

これらの部位は、蒸れやすかったり、舐めたり掻いたりしやすいため、皮膚のダメージが蓄積しやすくなります。

犬の皮膚が黒くなる原因として考えられる病気

皮膚の黒ずみの背景には、いくつかの皮膚疾患が関係していることがあります。
ここでは代表的な原因を紹介していきましょう。

慢性的な皮膚炎(アレルギー性皮膚炎など)

犬の皮膚が黒くなる原因として最も多いのが、慢性的な皮膚炎です。
アレルギー性皮膚炎などで、

  • かゆみ
  • 赤み
  • 掻き壊し

 

を繰り返していると、皮膚は炎症から身を守るために色素を増やします。
その結果、皮膚が徐々に黒ずんで見えるようになります。

マラセチア性皮膚炎

マラセチア性皮膚炎は、酵母様真菌(マラセチア)が過剰に増えることで起こります。
この皮膚炎では、

  • 皮膚のベタつき
  • 独特のにおい
  • 赤み

 

とともに、色素沈着が進むことがあります。
とくに脇や内股などの蒸れやすい部位で、皮膚が黒く厚くなってくるのが特徴です。

脂漏症

脂漏症がある犬では、皮脂の分泌が多く、皮膚の代謝が乱れやすくなります。
この状態が長く続くと、皮膚炎を併発しやすく、結果として皮膚が黒ずむことがあります。
脂漏症は体質として続きやすいため、色素沈着も慢性的に見られるケースがあることが特徴です。

舐め壊し・掻き壊しによる刺激

犬が特定の部位を繰り返し舐めたり掻いたりすることで、皮膚に物理的な刺激が加わり続けます。
この刺激だけでも色素沈着が起こることがあります。
「気づいたらいつも同じ場所を舐めている」という場合は注意が必要ですね。

皮膚が黒く、しこりとして触れる場合は注意

これまでお伝えしたように、犬の皮膚が黒くなる原因の多くは、炎症や刺激が慢性的に続いた結果として起こる色素沈着です。

 

しかし、皮膚の黒さが

  • しこりとして触れる
  • 盛り上がっている
  • 急に大きくなってきた

といった特徴を伴う場合は、皮膚炎とは別の病気を考える必要があります。
そのひとつが、メラノーマ(色素細胞由来の腫瘍)です。

メラノーマは、黒色〜濃い茶色に見えることが多く、皮膚や口の中、指の間などにしこりとして現れることがあります。

 

色素沈着と異なり、触るとしこりのような硬さを感じるといった点が特徴です。
「黒くなっただけ」と思っていた変化が、実は腫瘍だったというケースもあるため、見た目だけで判断せず、気になる場合は早めに動物病院で診察を受けることが大切です。

皮膚が黒い=汚れではない?

皮膚の黒ずみを「汚れているだけ」と思い、頻繁にシャンプーをして落とそうとする方もいらっしゃいます。
しかし、色素沈着は皮膚の内側の変化であるため、洗っても落ちるものではありません。

むしろ、洗いすぎによって皮膚のバリア機能が低下し、かえって皮膚炎や黒ずみが進行してしまうこともあります。
皮膚の色が気になった場合は早めに動物病院に相談しましょう。

シャワー後に黄色いタオルで拭く犬

動物病院で行う検査と診断

犬の皮膚が黒くなっている場合、動物病院では次のような点を確認します。

  • 皮膚炎や感染の有無
  • かゆみの程度
  • 皮膚のベタつきやにおい
  • 背景にあるアレルギーや体質

必要に応じて、皮膚検査や血液検査を行い、色素沈着の原因となっている病気を検査してもらいましょう。

治療と向き合い方の考え方

色素沈着そのものを消す治療は基本的に行いません。
治療の目的は、皮膚が黒くなった原因をコントロールすることです。

  • かゆみを抑える
  • 皮膚炎を改善する
  • 二次感染を防ぐ

 

こうした治療を続けることで、新たな色素沈着の進行を抑えることが期待できます。

こんな場合は早めに受診を

皮膚が黒くなっている以外にも、次のような症状があれば早めの受診をおすすめします。

  • かゆみや赤みが強い
  • ベタつきやにおいがある
  • 黒ずみが急に広がってきた
  • 同じ部位をしきりに舐めている
  • 皮膚が厚くゴワゴワしてきた

皮膚の色の変化は、皮膚病の経過を知る大切なヒントになります。
日頃からブラッシングやシャンプーなどでケアしながら愛犬の皮膚をチェックしてあげましょう。

トリミング台でブラシをかけられる犬

まとめ

犬の皮膚が黒くなる背景には、慢性的な皮膚炎や刺激が続いていることが多くあります。
「黒い=汚れ」ではなく、皮膚トラブルが長く続いているサインとして捉えることが大切です。

当院では、皮膚科診療にも力を入れ、皮膚の色の変化を含めた総合的な評価を行っています。
皮膚の黒ずみやかゆみが気になる場合は、お気軽にご相談ください。

大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田

 獣医師 福間 康洋
代表・専科獣医師
福間 康洋
記事監修
代表・専科獣医師 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
詳しい医師紹介を見る 予約をとる