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猫の脱毛症とは?|毛が抜ける原因と受診の目安を解説|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

猫の脱毛症とは?|毛が抜ける原因と受診の目安を解説

猫の脱毛症とは?|毛が抜ける原因と受診の目安を解説

毛繕いをする猫

猫の脱毛に悩まれたことのある飼い主様はいらっしゃいませんか?
猫の脱毛は、気づいたときにはある程度進んでいることも多く、「これって病気?それともよくあること?」と判断に迷われる飼い主様が少なくありません。
猫は皮膚トラブルを隠しやすい動物です。
そのため、脱毛は体からの重要なサインであることもあります。

今回は、猫の脱毛症について、考えられる原因や病気、受診の目安まで詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛猫の被毛の変化に気づいたときの参考にしてください。

猫の脱毛症とはどんな状態?

猫の脱毛症とは、毛が自然に抜け落ちたり、生えてこなくなった状態を指します。
重要なのは、猫の脱毛には大きく分けて以下の2つのタイプがあるという点です。

  • 病気によって毛が抜けている脱毛
  • 猫自身が舐めて毛を抜いている脱毛

 

この2つのタイプは見た目だけでは区別がつきにくいことも多いです。
また、猫の脱毛は「皮膚はきれいなのに毛がない」というケースも珍しくありません。

猫の脱毛が見られやすい部位

猫の脱毛は、次のような部位に目立つことが多いです。

  • お腹
  • 内股
  • 背中
  • 首まわり

 

とくにお腹や内股のつるっとしたタイプの脱毛は、皮膚病だけでなく行動やストレスが関係していることもあります。

体をなめる猫

猫の脱毛症で考えられる主な原因

猫の脱毛症は原因がひとつとは限りません。
ここでは代表的な原因を順に見ていきましょう。

アレルギー性皮膚炎

猫の脱毛症で非常に多い原因が、アレルギー性皮膚炎です。

  • 食物アレルギー
  • ノミアレルギー性皮膚炎
  • 環境アレルギー

 

これらがあると、かゆみや違和感から過剰に舐める行動が起こり、結果として脱毛が目立つようになります。
猫は犬と違いかゆみを「掻く」よりも「舐める」ことで表現します。
猫がいつも通りグルーミングしているように見えても、実は不快感を感じている場合があることに注意が必要です。

過剰なグルーミング(心因性脱毛)

猫特有の脱毛原因として重要なのが、過剰グルーミングです。
猫は環境の変化やストレスにとても敏感な動物です。

  • 環境の変化
  • 多頭飼育のストレス
  • 飼い主様の生活リズムの変化

 

こうした出来事をきっかけに、猫が同じ部位を舐め続けて脱毛してしまうことがあります。
この場合、皮膚に赤みや炎症がほとんど見られないまま脱毛していることも多くあります。
心因性の脱毛の場合は「病気じゃなさそう」と見過ごされやすい点が特徴です。

皮膚感染症

猫でも皮膚の感染症によって脱毛が起こることがあります。

  • 皮膚糸状菌症(カビ)
  • 細菌性皮膚炎
  • マラセチア性皮膚炎

円形の脱毛やフケ、かさぶたを伴う場合は、感染症の可能性も考えます。
人にうつる可能性がある病気もあるため、早めの診断が重要です。

猫の皮膚糸状菌症についてはこちらの記事もご覧ください。
https://esse-animal-cl.com/blog/symptom/column14/

 

内分泌疾患・全身疾患

頻度は高くありませんが、

  • 甲状腺機能異常
  • 副腎疾患
  • 重度の全身疾患

 

などが背景にあり、脱毛が起こることもあります。
この場合は、脱毛以外にも元気消失や体調変化を伴うことが多いです。

猫の脱毛症は「かゆくない」こともある

猫の脱毛症で注意したいのは、必ずしも強いかゆみを伴わないという点です。

  • 皮膚はきれい
  • 赤みが少ない
  • ただ毛がない

 

このような状態でも、ストレスや違和感によるグルーミングが原因になっていることがあります。
猫の様子を見て「かゆがっていないから大丈夫」と判断せず、脱毛の範囲や進行を観察することが大切です。

ストレスによる脱毛を放置してはいけない理由

猫のストレスによる脱毛は、「毛が抜けているだけ」に見えることが多く、つい様子を見てしまいがちです。
しかし、この脱毛は猫が強い違和感や不安を感じ、それを舐める行動で紛らわせている結果として起こっています。
同じ場所を舐め続けることで皮膚のバリア機能が低下し、細菌や真菌による二次的な皮膚炎を併発することも少なくありません。
また、ストレスが解消されないまま時間が経つと、舐める行動そのものが習慣化し、原因が軽減しても脱毛が続いてしまうケースもあります。
「皮膚がきれいだから大丈夫」と判断せず、脱毛が続く場合は早めに原因を探ることが、悪循環を防ぐうえでとても重要です。

動物病院で行う検査と診断

猫の脱毛症が疑われる場合、動物病院では次のような点を確認します。

  • 脱毛の部位と左右差
  • 皮膚の状態
  • グルーミングの有無
  • 生活環境の変化

必要に応じて、

  • 皮膚検査
  • 真菌・細菌検査
  • 血液検査

を行い、原因を一つずつ絞り込んでいきます。

猫の脱毛症の治療と向き合い方

猫の脱毛症では、脱毛そのものを止めることよりも、原因を見つけて取り除くことが治療の中心になります。

  • アレルギーへの対応
  • 感染症の治療
  • ストレス要因の調整
  • 環境の見直し

猫の性格や生活環境に合わせた対応が重要になります。

こんな場合は早めに受診を

次のような変化が見られる場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。

  • 脱毛が急に広がってきた
  • 円形の脱毛がある
  • かさぶたやフケが増えている
  • 同じ場所ばかり舐めている
  • 元気や食欲に変化がある

脱毛は、猫が出している数少ない「不調のサイン」のひとつです。

グルーミングする2匹の猫

まとめ

猫の脱毛症は、皮膚病だけでなく、アレルギーやストレスなど、さまざまな原因が関係して起こります。
見た目だけで判断するのが難しいからこそ、原因を正しく見極めることが大切です。

当院では、猫の脱毛症を含む皮膚トラブルに対して、検査から治療、生活環境のアドバイスまで丁寧に対応しています。
被毛の変化に気づいた際は、お早めにご相談ください。

大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田

 獣医師 福間 康洋
代表・専科獣医師
福間 康洋
記事監修
代表・専科獣医師 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
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