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猫の歯は人間と同様に日常生活に欠かせないものです。
食べ物やおもちゃを噛んだり、毛繕いをする際にも歯を使います。
しかしふとした瞬間に「猫の歯が折れているかもしれない」と気づくことがあるかもしれません。
この記事では、猫の歯が折れる原因や治療法、そして予防法について詳しく解説いたします。
ぜひ、最後までお読みいただき猫の歯の健康を守ることにお役立てください。

猫の永久歯は早い子だと生後3ヶ月位から生え変わり始め、6〜7ヶ月で全ての歯が永久歯となります。
猫の永久歯は、
で構成され、歯の総数は30本です。
猫の歯の外側はエナメル質や象牙質などの硬い組織に覆われ、中に歯髄腔といって血管や神経が走っている構造となっています。
また歯の根元である歯根部は歯槽骨という骨で囲まれ、筋肉によって支えられています。
猫の歯が折れてしまう原因にはどのようなものがあるでしょうか?
それぞれのケースを解説しましょう。
猫の歯が折れる原因として、代表的なものに外傷があります。
などといった出来事から、切歯や犬歯が折れることがあります。
硬いおもちゃや硬い骨などをかじった場合に、歯がかけたり折れたりすることがあります。
主に犬歯が折れてしまう場合が多いです。
歯周病や、猫に特有な歯が顎の骨に吸収されてしまう「吸収病巣」などの歯の病気も、歯が折れてしまう原因のひとつです。
歯の病気が進行すると、歯が脆くなり、ちょっとした衝撃で歯が折れてしまうことがあります。
年をとった猫の歯は、構造が弱くなり折れやすくなる傾向にあります。
歯の先が欠けた程度であれば、あまり症状がでないこともあります。
しかし猫の歯が折れて歯髄が剥き出しになると強い痛みを伴う場合もあります。
猫の歯が折れたときに見られる主な症状は以下のとおりです。
しかし猫は痛みを隠す傾向にあるため、症状が分かりにくい場合もあります。
猫の歯が折れてしまった場合にはすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
折れた歯を見つけた場合は、獣医師に見せることで治療の判断材料になることがあるため、可能なら保存しておくといいでしょう。
折れている歯の状態をレントゲン検査などでしっかり確認し、以下のような処置を受ける場合があります。
抜歯は歯が折れてしまった際の、最も基本的な治療法です。
折れた歯が神経にまで達している場合など、保存が難しい場合には抜歯をする必要があります。
猫は歯が数本なくても日常生活に支障はありません。
確実に痛みと感染リスクを取り除くために実施されます。
歯髄治療とは人間の虫歯治療のように、感染・炎症を起こしている神経を取り除いて歯を残す方法です。
歯の専門的な技術が必要になるため、歯科を強みにしている病院に相談するのが良いでしょう。
歯が欠けているのがエナメル質のみにおさまり歯髄が露出していないときには、レジンなどで歯の表面を保護する治療が行える場合もあります。
こちらも一般病院では実施が難しいことが多いので、歯科を強みにしている病院での実施がおすすめです。

猫の歯が折れているのが軽度に見えても、猫にとって以下のような重大な健康リスクを引き起こす場合があります。
折れた部分から細菌が入り、感染を起こすことがあります。
感染が進むと、歯根膿瘍といった状態になり歯の根元に膿がたまり、
などを伴う深刻な状態になるため注意が必要です。
また炎症が顎の骨にまで広がると、骨の変性や骨折のリスクもあります。
歯の内部にある歯髄(神経や血管)が露出していると、猫が常に強い痛みや不快感を感じる場合があります。
それにより食べることが難しくなり、食欲不振や体重減少につながってしまうこともあります。
猫の歯が折れないようにするための予防策は、
などが挙げられます。
硬すぎるおやつやおもちゃは避けて、猫の歯に優しい素材のものを選びましょう。
高いところからの落下を防ぐために、キャットタワーなどの安全性の確認も行うことなども必要ですね。
また動物病院での定期的な歯科検診も重要です。
半年〜1年に1回は歯の健康診断を受け、口腔内の状態の確認をしましょう。
高齢の猫や口臭がする猫は特に注意が必要です。
そして歯周病を予防することが、歯の折れを予防することに繋がります。
ご自宅でのデンタルケアを習慣化していきましょう。
歯ブラシを使用して歯磨きをしたり、難しい場合はデンタルシートなどを使用して口の中を清潔に保つことが大切です。

猫は痛みを隠す習性があるため、歯が折れていても発見が遅れてしまう場合もあります。
しかし歯の折れを放置すると、深刻な健康問題につながる可能性があります。
早期に異変に気がつき、適切な対処をすることが猫のQOL(生活の質)を守るために大切です。
当院は歯科を強みにしています。
猫の歯が折れていると気がついた際には、早めに当院にご相談ください。
大阪府吹田市の動物病院
ESSE動物病院吹田