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犬と猫の麻酔 | 動物の全身麻酔って安全なの?| ESSE動物病院 吹田市|ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

犬と猫の麻酔 | 動物の全身麻酔って安全なの?| ESSE動物病院 吹田市

こんにちは!ESSE動物病院看護師の玉城です^^

今回のテーマは「全身麻酔」についてです!

動物病院で行われる手術と聞いて1番に思い浮かぶのが避妊手術や去勢手術ではないでしょうか?そんな避妊・去勢手術や、歯石除去なども全身麻酔をかけて行います。

全身麻酔と聞いて不安に思われる飼い主様もいると思います。そんな不安を少しでもなくせるよう、全身麻酔のリスクや副反応、またそれらをどうしたら少なくできるのか、などをお話したいと思います。

 

 

◎全身麻酔のリスク

・シニア犬のリスクとは?

高齢の子は若い子に比べて麻酔のリスクが高いと言われていますが、そう言われている原因とそのリスクとはどのようなものでしょうか?

 

麻酔薬は呼吸によって出入りするガス麻酔薬や、肝臓で代謝され、腎臓で排泄される注射麻酔薬があります。そのため呼吸器や循環器、肝臓、腎臓の機能などの各臓器の機能が低下している場合は麻酔のリスクが高まります。また、貧血、脱水、体力が低下している場合にも麻酔のリスクは高くなります。

特に高齢になると、持病を抱えていたり、体力や免疫力が低下していたりするので、若い子に比べると麻酔のリスクが高いと言えるのかもしれません。

高齢の子の麻酔のリスクとしては

・麻酔が効きすぎる

・覚醒までに時間がかかる

・持病によっては病気が悪化する可能性などがあげられます。

リスクを少しでも減らせるよう、手術を行う前に検査を行い獣医師と相談してみましょう。

 

・後遺症

術後の後遺症として、腎不全や肝不全が起こることがあります。

ただし、これらは術中の血液循環の管理をしっかり行うことでその発生リスクを下げることができます。麻酔前に適切な水分量になるように点滴を行ったり、適切なプロトコルで麻酔を行うなど、やり方一つでこれらの後遺症の発生リスクも大きく変わってきます。

 

◎全身麻酔の副反応と対処法

・よくある副反応の症状

麻酔薬にもさまざまな種類があります。また犬の体質にも個体差があるため、薬の合う合わないがあります。

全身麻酔をかけた際の代表的な副反応として下記のような症状があります。

 

・心臓機能の低下

・呼吸機能の低下

・麻酔薬へのアレルギー

 

・副反応への対処の仕方

上記のような症状を減らすためにも、術前検査が大切になります。

術前検査では、血液検査やレントゲン、エコー検査を行い健康状態に問題がないかを確認します。

また、全身麻酔をかけている最中は、心臓がちゃんと動いているか、全身に酸素がいきわたっているかなど動物を見たり、機械を使ったりして評価しています。

無事手術が終わり麻酔を切った後も、ワンちゃんがしっかりするまで呼吸状態や心臓の動きを観察しています。他にも痛みはないか、体温が下がっていないかなどもチェックしています。

麻酔薬へのアレルギーは、術前検査などを行なっても予想するのは困難ですが、麻酔中やその前後の様子をしっかり観察することで異常に早期に気づき対処を行うことができます。

 

 

◎全身麻酔と局所麻酔の使い分け

麻酔法は大きく2つに分けられます。それは「全身麻酔」と「局所麻酔」です。

では、この全身麻酔と局所麻酔はどのように使い分けられているのでしょうか?

 

・全身麻酔

全身麻酔は脳に作用するので鎮静効果が生じ、動物は眠たくなります。

避妊手術や去勢手術、膀胱なの石を取り除くような開腹手術であれば全身麻酔をかけて行います。

 

・部分麻酔

局所麻酔は神経に作用し、感覚を麻痺させます。脳への作用はないので局所麻酔を用いても動物は眠くなりません。

体表の小さなイボを取り除くような手術では局所麻酔で行います。

 

上記のようにある程度の基準はありますが、実際にはさまざまな要因に応じて麻酔方法を決定していきます。動物の年齢・性格・既往歴や合併症・痛みの程度、病院の設備や装置・使用できる薬の種類などを考え、十分に動物を管理でき、痛みを防ぎ、安全が確保できる最適な麻酔法を決定します。

また、全身麻酔を行う中で痛みをコントロールするために局所麻酔を併用することもあります。

 

 

◎全身麻酔が必要な理由

全身麻酔をかけて行われる処置として外科手術(避妊手術や去勢手術など)があります。他にも歯石を取り除くスケーリングや、CT、MRI検査など、長時間じっとしていなければいけない処置や検査の際にも全身麻酔をかけて行います。

このように、動物は人に比べて全身麻酔をかけるケースが多いのですが、なぜ全身麻酔が必要なのでしょうか?

 

・ストレスや恐怖を減らす

麻酔なしで手術をすると、ものすごい恐怖や痛みのため「ショック状態」に陥ってしまいます。

ショックを引き起こす最も大きな原因がストレスと言われており、精神的な苦痛や環境などいろいろなものがストレスの原因となりますが、中でも重大なのが「肉体的ストレス」です。手術で生じる痛みなどがこれにあたります。

「ショック状態」とは、突然に呼吸・循環をはじめとするさまざまなバイタルサイン(生命徴候)の良好な維持が不可能となった状態のことです。最終的には体を構成する多くの臓器が機能不全の状態になり、死亡してしまいます。

このような悪い流れを引き起こさない、痛みや恐怖を感じさせないようにするためにも麻酔が必要になります。

 

・処置や検査を正確に行うため

また、手術や検査を正確に行うためにも動物を動かさないようにする必要があります。

適切な全身麻酔を行うことで、動物の意識をなくし動かない状態を作り、適切に手術や検査を行います。

 

 

◎まとめ

人と比べて動物の場合多くの場面で麻酔が必要になります。少し怖いイメージのある全身麻酔ですが、しっかりとした知識や医療行為を行うことで副作用も少なくすることができます。

お家でも普段から愛犬の様子や体調を観察し、不安なことがあればご相談ください^^

 

 

ESSE動物病院 院長 福間

大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)

駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)

皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています

健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください

院長 福間 康洋
院長 福間 康洋
記事監修
院長 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
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