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犬・猫 癌への疼痛緩和療法|ESSE動物病院|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院 |ESSE動物病院吹田|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院

犬・猫 癌への疼痛緩和療法|ESSE動物病院|吹田市(北千里駅)・箕面市・豊中市の動物病院 

大阪府吹田市・豊中市・箕面市の皆さん。こんにちは。ESSE動物病院の院長 福間です。

今回は腫瘍科からのお話で、犬と猫の癌への疼痛緩和療法について書いていこうと思います。

 

 

 

癌への疼痛緩和とは?

疼痛緩和とは、痛みに対して痛み止めなどの治療を行い痛みを和らげることを言います。

 

疼痛緩和を行う理由は言うまでもないですが、果たして自分の子は痛がっているのか?

ここが多くの方の疑問だと思います。

 

 

疼痛緩和はいつ行うの?

人では、全てのがん患者の53%が痛みを感じているというデータもあり、

進行癌の場合は64%にもなると言われています。

 

これは動物でも例外ではないと思います。つまり今腫瘍を持っている動物は、半分以上が痛みを感じていると考えてもいいと思っています。

 

そう思いながら、動物の様子を観察してみてください。

 

 

痛みのサイン

 

犬だと、

▶️食欲が落ちる

▶️元気がない

▶️スキンシップを避ける

 

などが、

 

猫だと、

▶️食欲が落ちる

▶️元気がない

▶️スキンシップを避ける

▶️毛繕いをしなくなる

▶️隠れる

▶️攻撃的になる

 

などの変化があれば、それは痛みが原因かもしれないと考えてみてください。

 

 

「痛かったら動物は鳴くでしょ?」と言われることもあります。

 

確かに瞬間的な痛みの場合は声が出ることが多いかもしれませんが、鈍痛などのジンジン痛む場合はどうでしょう?

 

私たちが虫歯になった時、頭痛がする時、どうしますか?

 

じっと耐えて痛みが過ぎるのを待とうとしませんか?

 

自分が動物ならその時どのような反応をすると思いますか?

先ほどの例のような反応をすると思いませんか?

 

 

まずは痛みに気づくところから

過去の私を含めて、多くの方が動物の痛みに気づいてあげられていないのだけかもしれません。

 

そして気づくことができれば、その痛みは和らげることができます

 

そうすると今まで普通だと思っていた動物の様子が、見違えるように変わるかもしれません。

 

元気に歩き回り、感情に溢れる表情を見せてくれるかもしれません。

 

実際に疼痛緩和を行った腫瘍の動物で、「動きが変わった」という話はよく聞きます。

 

全ての癌を治すことはできませんし、終わりがあるのが命だと思います。であれば、一緒の時間をより穏やかに幸せな時間を過ごすためにできることは何なのか?

その答えの一つが疼痛緩和なんだと思います。

 

 

癌への疼痛緩和の選択肢

疼痛緩和における治療選択肢は大きく分けて、

 

①腫瘍外科

②緩和放射線治療

③NSAIDs(エヌセイズ)

④麻薬・NSAIDs以外の痛み止め

⑤医療用の麻薬

⑥感染のコントロール

 

に分けられると思います。

 

今回は③〜⑥について書いていきますが、①と②もとても効果的な選択肢だと考えています。広く利用しやすい選択肢ではないかもしれませんが、私が話をする上では必ず触れる選択肢ではあります。

 

 

 

NSAIDs

「エヌセイズ」と読みます。

聞きなれない言葉ですが、多くの方が使われたことのある薬かと思います。

NSAIDsとはお薬のグループを指す言葉で、動物だとメロキシカムやオンシオールがあり、人医療ではロキソニンやボルタレンがNSAIDsのグループに含まれます

 

使い方にもよりますが比較的安全性が高く、価格も高くないことから使いやすい薬の一つになります。

 

 

 

麻薬・NSAIDs以外の痛み止め

NSAIDsよりも効果が高く、麻薬ほど扱いがややこしくない(後述)お薬もあります。

具体的なお薬としては「ブプレノルフィン」というものがあり、このお薬の便利な点としては猫では頬粘膜投与というやり方で、飲ませなくても頬の粘膜に垂らすだけでいいという方法です。

マイナスな点としては、鎮静という大人しくなる効果が出てしまうこともあるので、使ってみて問題ないか確認する必要があります。

 

 

 

医療用の麻薬

麻薬と聞くと身構えてしまいますよね。

ただきちんと使えば良い薬になりますので覚えていていただければと思います。

医療用の麻薬としては、「フェンタニル」というお薬がよく使われますが、このお薬にはパッチという貼るタイプのお薬があります。

法律上お渡ししてお家で貼るというのが難しいのですが、飲ませる薬を増やさなくても良いので使いやすい点も多くあります。

 

 

 

感染のコントロール

痛みの管理というのは、お薬を使うだけではないと考えています。

皮膚や口にできる腫瘍は、時に細菌などによる感染を伴っていることがあります。

その際、洗浄などで細菌を除去してあげて綺麗にしてあげると痛みや臭いなどの軽減も期待できると思っています。

実際に、洗浄するだけで痛みが軽減したおっしゃっていただけることもあります。

 

 

まとめ

緩和療法の一つの疼痛緩和は、適切に行うことで癌の患者さんの生活を何倍にも豊かにすることができます。

「この子は痛いのかも」そう思うことが最初の一歩だと思っています。

 

 

ESSE動物病院 院長 福間

大阪府吹田市青山台2−1−15(北千里駅から徒歩8分)

駐車場は10台以上あります。(豊中市、箕面市、茨木市、摂津市からも車で来院しやすいです)

皮膚科(アレルギー、アトピーなど)、腫瘍科(がん)、循環器科(心臓病、腎臓病)、外科手術(麻酔管理と痛みの管理をしっかり行います)を得意としています

健康診断、予防接種、フィラリア・ノミダニ予防、避妊・去勢手術も行います。ご相談ください

院長 福間 康洋
院長 福間 康洋
記事監修
院長 福間 康洋(フクマ ヤスヒロ)
  • 日本獣医腫瘍科認定医Ⅱ種(吹田市で1人、大阪府で30人[2023年4月時点])
  • 日本獣医腎泌尿器学会認定医
  • 獣医教育・先端技術研究所 腹部・心臓超音波研修 修了
  • 日本獣医皮膚科学会所属
  • 日本獣医がん学会所属
  • 日本獣医循環器学会所属
  • 日本獣医腎泌尿器学会所属
  • 日本獣医救急集中治療学会所属
  • 日本小動物歯科研究会所属
  • 日本獣医麻酔外科学会
  • 2015年:鳥取大学獣医学科卒業
  • 2018年:犬とねこの皮膚科 研修生
  • 2018~19年:ネオベッツVRセンター 研修生(内6ヶ月間)
  • 2021年:ESSE動物病院 開院
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