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「高齢だから、歯の治療や手術は難しいのかな」「心臓病や腎臓病があるけれど、麻酔をかけても大丈夫?」
愛犬・愛猫の治療を考えるとき、麻酔への不安を感じるのは自然なことです。大切な家族だからこそ、治療してあげたい気持ちと、体への負担が心配な気持ちの間で迷われる方もいらっしゃいます。
この記事でお伝えしたいこと
ただし、すべての犬・猫に麻酔を行えるわけではなく、リスクをゼロにすることもできません。

目次
犬・猫の麻酔には、「何歳までなら大丈夫」という一律の年齢の線引きはありません。同じ年齢でも、体力や臓器の働き、抱えている病気は一頭一頭異なります。
年齢は大切な情報です。高齢になると、心臓・腎臓・肝臓などの働きや薬への反応が変化し、麻酔のリスクに影響することがあります。一方で、「高齢だから」という理由だけでは、その子にとって麻酔が適切かどうかを判断できません。
診察と必要な検査を通して、全身状態と予定している処置を確認し、その子に合った計画を立てます。こうした個別の評価は、AAHAの麻酔前評価に関するガイドラインでも重視されています。
持病があっても麻酔を検討できる場合はありますが、病名だけでは判断できません。病気がどの程度進んでいるか、治療で落ち着いているか、現在どのような症状があるかが重要です。
心臓病のある子では病状や呼吸の様子、腎臓病のある子では腎機能や脱水の有無などを踏まえ、麻酔薬や点滴、管理方法を検討します。検査はすべての子に同じものを一律に行うのではなく、状態に合わせて選びます。
状態によっては、まず持病の治療を行う、処置を延期する、より高度な管理ができる施設への紹介を検討するなど、方針を調整します。麻酔を行わずにできるケアを相談することも、選択肢のひとつです。
例えば、歯周病で口が痛く、ごはんを食べにくそうにしているとき。「もう高齢だから仕方がない」と、ご家族だけで悩みを抱えていませんか。
麻酔にはリスクがあります。一方、治療を見送ることで痛みや食べづらさが続く場合もあります。「麻酔ができるか」だけでなく、「治療によって、この子の暮らしにどんな改善が期待できるか」を一緒に考えることが大切です。
治療する場合も見送る場合も、ご家族が納得して選べるようにお話ししていきます。お口の痛みや歯周病については、宝塚院の歯科・口腔外科の診療案内もご覧ください。
麻酔管理は、お薬で眠っている間だけのものではありません。事前の準備から、処置中、目が覚めた後の回復までを通して考えます。
診察に加え、必要に応じて血液検査や画像検査などを検討します。検査結果だけでなく、飼い主様が感じた日常の小さな変化も大切な手がかりです。
絶食・飲水・当日のお薬については、その子の状態に応じた指示をお伝えします。持病のお薬を自己判断で中止したり、絶食時間を長くしたりせず、事前にご確認ください。
麻酔中は、心臓の動き、血圧、呼吸、体温などを確認し、状態に応じてお薬や点滴などを調整します。機器の数値だけでなく、動物自身の様子も合わせて観察することが大切です。こうした監視の考え方は、ACVAAの麻酔・鎮静モニタリングガイドライン(2025年)にも示されています。

処置が終わった後も、呼吸や体温、意識の戻り方、痛みの様子などを確認します。目が覚めたらすぐに管理が終わるわけではなく、十分に回復するまで見守ることが重要です。
麻酔で眠っていることと、痛みへの対策が十分であることは同じではありません。手術や処置の内容、持病に合わせて、痛み止めや局所麻酔などを検討します。
こうした痛みへの対応を「疼痛(とうつう)管理」といいます。眠っている間だけでなく、目が覚めた後もできるだけ穏やかに過ごせるように、負担を減らす方法を考えます。
当院の麻酔管理については、全身麻酔・手術管理の診療案内でもご紹介しています。
ESSE動物病院 宝塚の院長・清水美磨は、日本獣医麻酔外科学会認定「動物麻酔基礎技能認定医」を取得しました。
これは、獣医麻酔・疼痛管理の基礎的な知識と経験を持ち、学会の指針に準じた麻酔・疼痛管理を行う技能について認定する資格です。制度の詳細は、日本獣医麻酔外科学会の動物麻酔技能認定医制度をご確認ください。
資格取得をひとつの節目として、これからも知識を更新し、日々の診療を振り返りながら、その子に合った麻酔と痛みの管理を考えていきます。
15歳という年齢だけでは判断できません。現在の全身状態、持病の程度、処置の必要性を確認して検討します。高齢でも選択肢がある場合はありますが、診察前に麻酔が可能とお約束することはできません。
検査で大きな異常が見つからなくても、麻酔のリスクがなくなるわけではありません。検査はリスクを把握し、計画を立てるための情報です。麻酔中から回復期までの観察も欠かせません。
ご相談いただけます。以前の判断には、そのときの体調や病状などを踏まえた理由があると思います。その後の経過や治療の必要性を確認し、改めて検討できることがないかを一緒に考えます。これまでの検査結果や診療内容が分かる資料をお持ちください。
検査結果、お薬の名前や量が分かるもの、過去の麻酔・手術の記録があればお持ちください。食欲や飲水量、呼吸の様子など、気になる変化のメモや動画も参考になります。
「治療してあげたいけれど、麻酔が心配」「今のこの子にできることを知りたい」。そんなお気持ちを、まずはお聞かせください。
ESSE動物病院 宝塚では、高齢の犬・猫や、心臓病などの持病のある子の治療についてご相談をお受けしています。すべての子に麻酔を行えるわけではありませんが、今の状態を確認することで、選べる方法が見つかるかもしれません。
大切なご家族が少しでも心地よく過ごせるように、一緒に考えていきましょう。
ESSE動物病院 宝塚
兵庫県宝塚市今里町24-11
電話:0797-80-8331
本記事は一般的な情報です。麻酔の可否や検査・治療内容は、診察のうえで個別に判断します。